崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「無事故現状維持派」日本人の社員

2013年10月01日 04時18分10秒 | エッセイ
 朝の散歩道でコスモスに出あい、草花を食卓上に飾り、池坊の展示会を見てきた。この夏に書き下ろし一冊のハングル原稿「私が生きてきた朴正煕時代」(仮)を昨朝のメールで韓国の出版社へ送って検討をお願いしたところ、午後社長から読み終わったので本の構成の相談をしたいと電話がきた。嬉しい。アイディア豊富な社長、このようなスピード感のある人との仕事は楽しい。その出版社は出版物も多いのに私のものを優先してくれる好意に感謝している。
 最近頻繁に会って談話する朴萬錫氏の話である。彼は韓国人としてアメリカの会社の樹脂化工の下関工場長をしている。私は日本の会社との異なる点についてよく質問をする。彼はいう。日本の会社は無事故で現状維持が基本目標としているように見えるが、アメリカの会社(韓国?)では新しいアイディアを持って次々と新しいことにトライする人が優先的であるという。したがって工場長という職級もいつも狙らわれているような不安を感じている。しかし多くの日本人社員たちは現状維持の安心感を求めて安住しようとする傾向が強い。このような日本式の安心感のある社員への対策が問われているようである。経営側ではアメリカ式の方が能率的であるが、社員たちが安心できるようにするのも良い経営ではないかと私は言った。社員全員がアイディアマンであると考えると、あまりも変化が激しく、会社は存立し難くなるかもしれない。アイディアマンのアメリカ式の経営者と「無事故現状維持派」の日本人の社員との構成が理想的ではないかと私は思う。