崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

餅作り

2013年10月06日 04時27分12秒 | エッセイ
昨日「楽しい韓国文化論」の講座でまず私がご飯、餅、麹など稲作文化に関して、朝鮮半島や満州まで栽培されるような稲の品種改良と普及、電気炊飯器の発明、稲としての日本人と学校の給食、農業とTPP、政治と国際化まで触れて、中でも日本の餅は粘り気のある食文化の特質があることを指摘した。韓国の餅は中国大陸の北方の粉文化のものの特徴があり、日本の餅は南方の粘り気のある南方イモ文化からの影響があると説明した。
 引き続き餅作りの実演を行った。海龍食品の朴仙容氏がシェフの片山氏とドイツ文学専攻の小倉在住の赤毛氏、中国人民大学教授の金氏などが餅作りの準備に加わった。メニュはシリトック(蒸餅)であった。シリは韓国の蒸し器のシル、トックは餅を意味する。実演状況を権藤氏が終始カメラで録画して、この文化論講座をまとめてメディアに紹介することとした。蒸して出来あがったシリトックを30人余(登録者36人、飛び込み1名)で試食をしながら自己紹介が行われた。韓国文化、特に食文化が好きな人、韓国旅行をしてみたい人が多かった。この講座の受講生の希望者と来週末にはソウルへ、板門店の文化探訪旅行を実施する。冷えた日韓関係とは全く異なった暖かい「楽しい韓国文化論」は実行されている。
 赤毛氏はこの夏韓国釜山大学校の語学研修に10週間参加して来たという。200余人が韓国語を受講、授業料16万円、貸し部屋6万円など時間と費用を掛けて語学研修する人が多いという話である。日本から韓国へ、また一方中国人民大学の金教授は小倉の日本語研修に来ている。語学研修の交流はよく行われている。私はただ善意をもってボランティアのように始めたが将来は文化論講座や語学研修院として受け継がれていくことを希望する。いまその協力者や後継者を探している。(写真、上は受講生の山尾氏から)