昨日は猛暑の中、九州大学で基調講演として「国策・プロパガンダ映画のむこうに」という題で講演して「植民地時代の映像をどう観るか」というシンポジウムでパネラーとして語った。会場は満員であった。シンポの司会は西日本新聞の平原奈央子氏、パネラーは有馬学教授、下川正晴教授であった。私は戦後の反日韓国で日本の植民地を研究しはじめ、さらに視野を広め、世界的に植民地を研究する中、良い映像資料がありながら研究されていないことから映像に関心を持つようになった経緯をまず語った。日本植民地政府は植民地朝鮮のプロパガンダ的、あるいは朝鮮植民地の状況を広く宣伝するために映画を作成しており、それに関心を持ったこと、そして「志願兵」「朝鮮海峡」「兵隊さん」を3本セットで公開する意味を語った。
「兵隊さん」は私個人として面白い作品である。私は陸軍大尉として陸軍士官学校の教官をした経験からその訓練の内容が日本の「兵隊さん」のものとまったく一致するところに驚き、「懐かしく、面白く、感動した」と語ってしまった。当然反論があると思った。そこにこの作品は「つまらない作品だ」と下川氏が発言した。期待した通り論争になりそうになったとき聴衆から多く手が挙がった。引揚者の証言的な意見と作品の見方にプラスになるものが多かった。私は人々が「つまらないもの」を研究しているかもしれない。シャーマニズム、植民地、捨てられた映像、そして数々の私の論文のテーマがそうかもしれない。
「兵隊さん」は私個人として面白い作品である。私は陸軍大尉として陸軍士官学校の教官をした経験からその訓練の内容が日本の「兵隊さん」のものとまったく一致するところに驚き、「懐かしく、面白く、感動した」と語ってしまった。当然反論があると思った。そこにこの作品は「つまらない作品だ」と下川氏が発言した。期待した通り論争になりそうになったとき聴衆から多く手が挙がった。引揚者の証言的な意見と作品の見方にプラスになるものが多かった。私は人々が「つまらないもの」を研究しているかもしれない。シャーマニズム、植民地、捨てられた映像、そして数々の私の論文のテーマがそうかもしれない。