崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

伊藤博文と安重根

2009年07月29日 05時59分40秒 | エッセイ
 私が住んでいる山口は日本の総理大臣を多く生み出すことで有名なので本欄でも触れた。その初代の総理が伊藤博文である。最近彼のカーラー写真が発表された。写真を見ながらこれからは白黒のカーラー化が可能であろうと思い、安重根のカーラー写真も登場するだろうと思っている。白黒写真の画層をカーラー化するのが一般化するとまた楽しみが増える。
 それより日韓における伊藤と安の関係はどうなるのだろうか。安氏は伊藤を暗殺した殺人者か、反植民地の英雄か。また伊藤氏は偉大な政治家か、アジアへの侵略主義者か。韓国人が北朝鮮を訪問して熱士陵や故金日成に頭を下げたことが非難されたことがある。アメリカとイギリスの間ではジョージワシントンに関して相反する評価があり、国家間には常にこのようなことがある。朝鮮半島が統一すると南北の朝鮮戦争の英雄たちは互いにどう扱うのだろうか。
 国家間の話だけではない。個人の問題でもそうであろう。小さいこと(?)で人間関係を切る人が多い。過去の過失を根にもって敵対する人もいる。人を恨んでしまう。それらの相手が多いと多いほど不幸であろう。心から許すことは本当に難しい。感情では許せなくともまず頭の中で考え、心でも複雑な葛藤の過程を経てからようやく相手を許すことができるようになるのかもしれない。