崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

私の履歴書

2009年07月09日 05時27分55秒 | エッセイ
 最近著のエッセイ集を読み、さらに求める人から電話などでも声を掛けられることがある。数日前にも全く他人からエレベーターの中で読んだよと言われてうれしかった。なにか、すべての人、他人が他人ではないように感ずる。自分が過大妄想的になっていく小人癖と戒めなければならない気持にもなる。そんな中、昨晩私の履歴が面白いから会って見たいという電話があった。嬉しい。
 日本ではある会社に入社して退職まで一筋の履歴が良いといわれる傾向がある。その面から考えると私の履歴は遍歴が激しく、良いものではないかもしれない。良し悪し問わず私の履歴はそのように生きてきたものであるから、書き直すわけにはいかない。専門分野も変わったり広がったり、軍の教官、政府の半官半民機関での委員、高校の教員、大学教授、留学などで職場や住所も多く変わっている。日本人と結婚して、韓国から日本にきている。人から変に思われるかも知れないが私にとって妥当な人生の道であった。 今、ふり返ってみると我が夫婦は難しい決断を簡単にも下してきたとも思う。間違った決断でもいったん決まった以上はそれを成功させようと努力した。その成功とは立身出世的なものではなく、正義と愛などを信条に実行しようとしたものである。その私の履歴を肯定的に見てくれる人がいることは幸せなことである。