崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

捕鯨会社の社長と歓談

2009年07月22日 05時14分03秒 | エッセイ
 捕鯨会社の社長とクジラについて長く歓談をした。私にとってクジラは異様なものである。中学校時代に学習の一環としてソウルから釜山まで行って巨大なクジラの実物をみて驚いたのが今までのクジラについてのイメージの全部である。メルビルの名作「白鯨」の小説と映画を通して、私の見学のイメージは少しは増幅されたかもしれない。
 私はクジラの生態はいまだわかっていない。クジラは多量の魚やプランクトンを食べるので魚を保護するにも捕鯨は必要だという。日本近海で捕れるクジラ類を乱獲しない程度に「調査捕鯨」するという。つまり方法や捕獲頭数などについて、各国・各団体のコンセンサスを得て行う「国策捕鯨」であり、商業捕鯨とは異なるという。
 それより私が彼の話に関心を持ったのはクジラ文化への彼の理解と情熱、そして合理的な経営方針の話である。彼は福岡の炭鉱地で生まれ育って、50代まで製材会社を成功させ、後に捕鯨に全力投球してきたという。経営においては能力主義と競争原理が主なようである。私は大学経営は特殊といえ、教育、そして共同体の特性を生かしながら行う点が異なるだろうと言った。成功者には信念と情熱が共通している。