崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

留学生の荷物

2009年03月31日 06時31分47秒 | エッセイ
 韓国の姉妹校からの留学生を迎えに下関港に出た。遅れて現れた彼女は大きい荷物を積んだカートを後から押していて体が荷物に隠れて見え隠れしていた。台車に山盛りでもまだ荷物が残り、他の旅行客が手伝って運んでくれた。乗用車に押し込んで私が乗れるスペースがなかった。職員らがスーパーに案内しても、まな板から包丁、布団、鍋、食器などを韓国から持ってきたので別に買い物はなかった。急激な円高で韓国で生活品を大部分準備してきたのである。
 今日本から韓国へ旅行する人は手ぶらで行き、韓国で衣類などを買ってくる。日本人は韓国で買い物を楽しんでいる。いつまで続くか分らないがこのような現象は国境商売、国家間貿易の原点ともいえる。昔ドイツとフランスの国境都市に住む留学生の弟子を訪ねて行ったことがある。その時数人の留学生は家賃の安いフランス側に住みながら安いガソリンを国境を超えてドイツで買うという生活ぶりをみて国際的な現象として面白く観察した。下関で物と人の移動を体で体験できる時が多い。楽しい。