崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

教養ある人とは

2009年03月14日 06時06分20秒 | エッセイ
 近代化すなわち都市化によって全国が都市化していく中でむしろ「田舎」は都会と対照的に田園風景を保つ自然環境の魅力がクーローズアップされる。下関の壇ノ浦から源平合戦の海を眺めて生活するのは幸せである。しかし長くなるにつれて鈍感になるようである。むしろ風の強い朝鮮海峡の荒海に怖さを感ずる。
 私は拙宅へお客を迎える時、花を生けるのが常である。しかしそれに目を向ける人は少ない。しかも芸術専門の学者がきてもそれに関しては鈍感なような方が多い。研究室に専門の学者が来ても本に目を向ける人も少ない。ある博士候補者に研究書を見せても関心を示さないこともある。その関心の程度をもって私は教養人か、良い学者か判断する癖がある。
 先日拙著出版記念会で著書を配った時私の友人の印君が一番関心を持っていた。彼は朝鮮日報の編集局長を二期、傍系の社長をした人で、目下ニューデイーリの社長である。なるほど。韓国の有名な心理学者の崔臣海氏は食器を奇麗に飾った応接間を観察して食べ物に関心が高い人だと分析している。日常の行動からその人のお人柄もキャッチできるのである。