崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

冷麺とウニ

2009年03月15日 06時02分41秒 | エッセイ
 短い韓国旅行の中でビビン冷麺を3回も食べた。日本ではなかなか食べられないものであるから特に美味しく感じるのかもしれない。韓国の食品コーナーを回ると美味しそうなものが溢れているが、日本のスーパーを回っても特に視線を引くものはウニくらいである。ウニは一般的に韓国人は好きではない。私が好きになったのは異例なことである。韓国で現地調査中に海から取ってきた生ウニを味わったことがあり、とても美味しく感じて以来のことである。それがインプットされたので舌が覚えている。
 珍しく日本的な好物のウニ、そのウニが名産である下関に住んでいることは偶然であろう。しかしウニは高価なものであり、滅多に買うことはない。家内から勧められても遠慮するのが普通である。海岸村の豊浦湯玉にお住まいの方で、戦後韓国巨文島から引き揚げてきた堀麗子氏から数個いただいてとても嬉しかった。
 韓国では古くは王様へ進上する品目であったともいわれるウニを食べることこそ幸せではないか。それは私だけではない。今は昔、想像もつかない高級な音楽やオペラなどをおラジオやテレビで身近に接することができるのは贅沢であり、すごいことであることに気がつく。もっと文化を大事にすべきであろう。