崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

金賢姫

2009年03月12日 06時21分51秒 | エッセイ
 田口八重子さんの長男飯塚耕一郎さん(32)が、韓国釜山コンベンションセンターで金賢姫さんと初の対面をした。その中継画像を見ていて私は涙が出た。なぜこのように感動したのだろうか。解説を入れた繰り返しの映像を見ては感動しない。韓国のニュースでは感動できなかった。彼女は日本語で「抱いてみていいですか」と言い、耕一郎さんと抱き合い、涙をぬぐった。記者会見では韓国語で話したのは硬く感じて、日本語の方がより感動的であった。
 金さんは元工作員であり、大韓機爆破犯人であったが特赦で許され、韓国人と結婚し、クリスチャンとなっている。私は朴・全大統領時代は政治的デッチアゲ事件が多かったのでこの事件も本気で信じていない。この事件に関しては韓国のカソリック神父115人がデッチアゲ説を発表したことが問題になっている。その事実はまだ明らかにはなっていない。
 私が感動したのは息子が母親との縁の深かった人に会う場面である。私は自分の母が亡くなって暫らく後に母の友人に会って泣き崩れたことを思いだした。耕一郎さんが金さんに会う場面が私にとっては自分の母へ感情を投影して泣いてしまったのである。