おくのほそ道逆回り・2日目後半

2010年08月10日 23時59分59秒 | 旅行記

登ること約25分(休憩なし)で奥の院に到着。
意外とあっさり、早く着いてしまったことに驚きました。こんぴらさんより道のりはハードですが、所要時間は短いように思えました。


参拝を済ませてから、少し戻って開山堂へ。ここからの風景もなかなか素晴らしいものです。
そして、右に見える階段を進むと、いよいよ山寺観光のハイライトが待ち受けています。


展望台・五大堂です。
しばらく順番を待って空いたところから景色を眺めると…


眼下には山寺駅とその周辺の一大パノラマ!
遥か昔、芭蕉の訪れた時から変わらぬ風景は、登山疲れを一気に癒してくれました。
秋の紅葉の時期、冬の雪の降る日は今よりもっと素晴らしい景色が広がるのでしょう。

「修行」の最後に素晴らしい景色を堪能した後は、駅を目指してゆっくり下山。
行きに見られなかったところをじっくり見ながら…それでも1本早い電車に乗ることが出来ました。
山寺13:42発→山形13:58着

新鋭E721系がやって来ました。
走っているところこそ東北ですが、生まれは関西の川崎重工(一部は東急車輛製造)です。終始軽快な走りのまま、あっという間に終点の山形に着きました。

山形では時間があったので、お隣の北山形まで左沢線直通のキハ101形に乗車。
しかし、「左沢」を「あてらざわ」とはとても読めません…。
山形14:21発→北山形14:25着

北山形にて。
昨日の越美北線と同じく、左沢線はここから始まるので実際には乗っていません。いつかの訪問を誓って、水色の気動車を見送りました。

北山形14:48発→新庄16:02着
文庫本に没頭しながら、のどかな風景を駆け抜けて新庄まで。
新庄16:09発→鳴子温泉17:15着
新庄からは陸羽東線に初乗車です。
列車は宮城県に入り、終点の鳴子温泉で降りました。


鳴子温泉駅は陸羽東線の運行上の拠点駅で、構内・駅舎共にそれなりに大きな駅でした。
そして、この温泉駅最大のアイデンティティであろう、ホームに降りた時から既に漂う硫黄臭…。

駅前からは温泉街をすり抜けて、徒歩5分ほどの公衆浴場・滝乃湯へ。
道を進むたびに匂いがキツくなりますが、温泉の匂いと思えばそれほど嫌悪感は抱きません。
建ち並ぶ温泉旅館、下駄を鳴らして足湯を巡る浴衣姿の観光客を見ると、日本の温泉文化の素晴らしさというものを再認識させられるようでした。

温泉はもちろん源泉かけ流し。
浴場内には温泉のお湯しか流れず(タオル類を洗う用に水の蛇口はあった)、最初から最後まで温泉を楽しめる形になっています。
温泉の成分が強く石鹸の類が使えないために温泉のお湯のみで体を洗いましたが、驚くほど肌がスベスベになりました。
今までにも日本各地多くの温泉を訪れていますが、これほど温泉の力を実感したのは初めてです。

鳴子温泉18:00→新庄19:01着
すっかり温まって、来た道を再び新庄へ戻ります。
途中、瀬見温泉駅付近の川を挟んだ向こうに見える、ぽつぽつと明かりの灯った温泉街が幻想的に映り、まるで「千と千尋の神隠し」に出てくる風景を思い起こさせました。


旅をしていて、いちばん好きな時間帯。
このままどこかに連れ去ってほしい…。

新庄からは、陸羽西線に乗り換えて日本海側に出ます。
新庄19:27発→余目20:20着

終点余目到着。このカラーリングが好きです。

ここからは、今夜の目的地へひたすら移動。
余目20:37発→酒田20:55着
キハ47系の2連。
実は先ほどの陸羽西線、新庄19:27発の1本後に酒田直通の快速「最上川」があるのですが、キハ47に乗りたかったのでこちらを選びました。
酒田21:17発→秋田22:59着
701系2連。
雄物川で花火大会があったらしく、終点秋田の少し前から一気に車内が混雑しました。
秋田駅の改札は無人駅からの料金精算をする客で長蛇の列。途中下車印を押してもらう余裕もなく、去年も利用した駅併設のネットカフェ「コミックバスターアルヴェ」に向かいました。

おくのほそ道逆回り・2日目前半

2010年08月10日 23時59分58秒 | 旅行記
2日目は4時50分に目覚めました。
既に外は明るく、料金を払ってネットカフェを出ます。ここは精算時にいちばん安い料金設定にしてくれるらしく、思っていたよりも数百円安く済みました。

新潟大学前駅は始発を待つ人が意外にも大勢。
ホームに入ろうとすると、目の前に自動改札が立ちはだかりました。昨夜は非常用通路が開いていたのでそこから出たのですが、今朝は閉まっています。
列車の時間も近づく中、どうしようか…と思っていたところ、どこかの有人駅に繋がるインターホンを発見!
押すと駅員さんらしき人と通話が出来、「青春18きっぷなんですけど…。」と用件を告げると、「ありがとうございます。下のボタンを押して入場してください。」と言われたので、指示通りに押すと入ることが出来ました。
こういう形態の駅は初めてだったので妙に緊張(^^;

新潟大学前5:29発→新発田6:46着
昨日と同じE127系に乗って終点の新発田まで。途中、朝陽差す車内から新潟市街を一望出来る区間もあり、今度は日中に乗り通してみたいなと思いました。
新発田6:49発→坂町7:12着

やって来た酒田行きはなんとキハ110系!
この区間を走っているのは知っていたのですが、初めて当たりました。
今日の目的地は秋田。このまま乗り継いでいけばお昼前には着けるものの、旅はもちろん遠回り。
坂町7:17発→米沢9:56着

乗り継いだ米坂線もキハ110系。
穀倉地帯を足取り軽やかに駆け抜けていきます。が、小国を過ぎたあたりで寝てしまい、起きると終点米沢…いつか再訪を誓って、駅を出ました。


米沢駅です。山形新幹線の駅でもあるのでとてもキレイで賑わっていました。
恥ずかしながらこの山形新幹線に代表される新幹線・在来線直通方式の「ミニ新幹線」というものを初めて目にして驚いた次第です。そういえば最初に買ってもらったプラレールが山形新幹線400系の「つばさ」でした。今は全て引退したそうですが…。
ここで名物駅弁「牛肉どまん中」(1100円)を買って、次の列車を待ちます。

米沢10:42発→山形11:27着
東北を代表する普通電車、701系。
山形駅では仙山線の列車に乗るところを、間違えて奥羽本線の列車に乗ってしまい…
山形11:29発→羽前千歳11:35着
719系。仙山線との分岐点である羽前千歳で降りて事なきを得ました。
羽前千歳11:40発→山寺11:54着
同じく719系。

こうして無事に山寺に到着。駅ホームから既に立石寺が見えています。香川県のこんぴらさんに似ていますね。
今から写真に見えている奥の院目指して登るのですが、その前に…


コインロッカーに荷物を預け、体力をつけるために先ほど米沢駅で購入した「牛肉どまん中」を食べます!
食べてみた感想は…こんなおいしい駅弁があったんだ!というのが率直なところです。量もちょうど良くてお昼ごはんに最適。とにかくおいしい。さすが全国駅弁大賞に輝いただけありますね。


さて、おなかいっぱいになったところで立石寺に挑みます。
これが登山口で、まず108段の階段を上って煩悩を払い落とすのだそうです。


上った先には松尾芭蕉さん!


そう、ここ山寺は彼がかの有名な「閑さや岩にしみ入蝉の声」の句を詠んだ地なのです。
「せみ塚」としてその石碑が残されています。因みにこの時芭蕉が聞いていた蝉はニイニイゼミだったとか…。


さて、ここからは料金を払って登っていきます。既に暑いです。
でもちょっと登るだけでこの風景。この建て込んでいるのが「古刹」という感じで好きです。


こんなところもあります。立石寺がただの観光地ではなく現役の修行の地であることを物語っていますね。
観光客は事あるごとに休憩していたのですが、私はすっかり修行気分。小さい子が「疲れたー」と言っているのを横目に、ひたすら奥の院を目指して登っていったのでした。