西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
本ブログ記事の無断転載および無断引用をお断りします。
 

『フランス文学をひらく  テーマ・技法・制度』

2012年06月03日 | サンド研究
『フランス文学をひらく  テーマ・技法・制度』
慶應義塾大学文学部 フランス文学研究室 編

口絵
まえがき   牛場暁夫

第1部 テーマとその変奏
 恋愛の諸相      岑村傑
 文学と食       荻野安奈
 メランコリー     築山和也
 東方紀行の系譜    小倉孝誠
 社会的想像力と共同体 市川祟

第2部 ジャンルの多様性
 フランスの「おとぎ話」   片木智年
 自己を語る文学       小倉孝誠
 幻想文学          築山和也
 変貌し刺激するジャンル   牛場暁夫

第3部 文学の構成要素
 多彩な登場人物      牛場暁夫
 小説の技法        喜田浩平
 描写の冒険        岑村傑
 文学とフランス語の歴史  川口順二

第4部 文化と制度
 文学作品の誕生と読者      井上櫻子
 国民の創造とナショナリズム   市川祟
 フランス文学教育史   ヴァンサン・ブランクール 訳:大島ゆい
 文学作品の伝播     ヴァンサン・ブランクール+井上櫻子 訳:大島ゆい
 フランス語圏の文学   宮林寛

 年表
 人名索引
 著者紹介

A5判/並製/296頁
初版年月日:2010/10/15
慶應義塾大学出版会
ISBN:978-4-7664-1789-0
(4-7664-1789-5)
Cコード:C3090
税込価格:3,150円
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"Histoire de ma vie littéraire et intime 1832-1850"

2012年06月02日 | サンド研究

"Histoire de ma vie littéraire et intime 1832-1850" , Editions Paleo, collection "de Sable", 14 x 20,4 cm, 396 pages, 30 €. Ce texte est la Vème partie de Histoire de ma vie.
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2012サンド研究会:講評会

2012年06月02日 | サンド研究

今日は仏文学会春季大会。
東京大学、本郷キャンパスの法文1号館にて。
法文1号館まで辿り着くのが一苦労でしたが、何十年ぶりかに目にした赤門はなぜか昔のイメージより色鮮やかで、小ぶりながらひときわ壮大な存在感を感じさせました。

午前中のサンド研究会は、『200年目のジョルジュ・サンド』講評会でした。参加者の皆さんからは、次のような御感想や祝いのお言葉を続々と頂戴いたしました。

・美しく品のある表紙。内容が格調高く充実している。
・自分の研究テーマ田園小説に関する論文では、『愛の妖精』の「男らしさ」の男性論や長編の『笛師の群れ』の芸術論が印象に残った。
・こうした本は雑多な論文の寄せ集め集になりがちで歩調を合わせるのが非常に難しいが、個性ある各論文が相互に違和感なく調和しよく纏められている。
・外部の方から「受容史」がよいと褒められた。本書の書評依頼を考えたい。
・12名もの著者がいる共著は出版まで漕ぎ着けるのが大変で、途中で挫折し刊行まで至らないことが多い。何度もそんな経験をしているが、今回は「協同が力」となることを実感した。
・サンドと音楽家を研究している身には、ドラクロワの論文が役に立った。
・サンド専門以外の美術や音楽の専門家にとって、極めて興味深い本。音楽大学では、この本を欲しいと、即日注文された先生方が何名もおられた。
・高度な「日本におけるサンドの受容史」も重い感じがせず、前半部ともうまく調和している。
・略史と用語解説が冒頭に置かれ、次に論文、最後に資料的内容と続き、読みやすい構成となっている。
・サンド略史は新たな情報が盛り込まれていて、用語解説とともにこの本を授業のテキストとして使用するのに役に立つ。
・情報がぎっしり詰まっていて、専門家や若手研究者にとって示唆に富んでいる。だからといって重い感じがせず、一般読者にも手の届く内容である。
・清楚で美しい表紙の見かけと本の内実が一致している。
・学会編の処女作『ジョルジュサンドの世界』が入門編だとすると、今回は前作を更に発展させた素晴らしい内容の本となっており、サンド研究史における歴史的記念となる書になった。実によく頑張った。ここまで来たかとうれしく、敬意と敬服の念を感じる。

批判はと言えば、写真がカラーだとよかったこと位で、皆さん、とてもお優しく、時間が短く限られた内輪の講評会だっただけに、自画自賛に偏りがちで客観的な批判に乏しく、その点はいささか問題となる講評会ではあった。極めつけには有り難きことに、女性サンド研究の先駆者でおられる80歳のドンから学会宛てにお祝い金まで頂戴していたことが明らかとなった。また、この日、初参加の大学院の若手研究者2名が新たに学会員となることに決定、学会のさらなるパワーアップが期待されるだろう。

いずれにしても、三年がかりの共著が日の目を見たことは、兎にも角にも祝賀するにふさわしく、著者の方々や応援して下さった学会員と同様、この出版のために全力を注いでこられた編集担当の方々にとって、あらゆる意味で感無量の日になったことと拝察いたします。

昼食会は、落ち着いた素敵なフレンチレストラン Lever son verreにて、白ワインで共著の出版を祝って全員で乾杯。久しぶりの子羊の煮込み料理や魚料理に舌鼓を打ち、エスプレッソと珍しいデザートも圧巻で、気心のあった研究者同士の楽しい会話のハーモニーに時の流れを忘れるひとときを過ごしたのでした。

研究会にご参加くださいました皆さま、本日は大変お疲れ様でした。
そして、本当にありがとうございました。

ーーー
承前:
昼食会の後は、文学衰退が社会風潮となっている現代に生きる文学人間を励ましてくれたCompagon氏の講演、続いて、ユーモアあふれるフロベールに関する蓮見重彦講演を拝聴、帰り道の古本屋さんでプラトンのギリシャ語付きの貴重な一冊を手に入れることもできて、今日は疲れを忘れさせてくれる充実した一日となりました。











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日本ジョルジュ・サンド学会の3冊の既刊書

2012年06月01日 | サンド研究
(1)『ジョルジュ・サンドの世界 十九世紀フランス女性作家 生誕二百年記念出版』

単行本: 422ページ
出版社: 第三書房 (2003/09)
ISBN-10: 4808606100
ISBN-13: 978-4808606107
発売日: 2003/09
商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.8 cm
定価 3150円

日本ジョルジュ・サンド学会編
秋元千穂/石橋美恵子/坂本千代/高岡尚子/西尾治子/平井知香子/吉田 綾/渡辺響子 共著

http://www.daisan-shobo.co.jp/book/b37459.html


(2)『Les héritages de George Sand aux XXe et XXIe siècles』(ジョルジュ・サンドの二十・二十一世紀への遺産)
Les heritages de George Sand aux XXe et XXle siecles(全仏文)
日本ジョルジュ・サンド学会 編 2006年10月 慶應義塾大学出版会



目次
Preambule
Remerciements
Abreviations et sigles dans ce volume

L'art du roman comme acte politique 
Francoise van ROSSUM-GUYON

George Sand, une intellectuelle dans la France du XIXe siecle - Sa pensee vue a travers son oeuvre -
Haruko NISHIO

L'anglomanie et la politique dans Indiana
Mieko ISHIBASHI

George Sand au cimema. De l'autobiographie a la biographie filmee
Anne-Marie BARON

La culture de la publication a l'epoque romantique et OEuvres illustrees de George Sand
Chikako HIRAI

George Sand, art et hasard : la plume et le pinceau
Nicole SAVY

Les couleurs et l'artiste dans Laura, voyage dans le cristal
Naoko TAKAOKA

Le 《 naif 》 a travers l'oeuvre de George Sand
Kyoko WATANABE

Mozart dans l'oeuvre de George Sand - Histoire de ma vie, Le Chateau des Desertes et Maitre Favilla -
Chiyo SAKAMOTO

Le roman de la femme-artiste chez George Sand : politique et esthetique
Beatrice DIDIER

Le fil des geneations selon Goerge Sand, disciple de Pierre Leroux, dans Histoire de ma vie et Consuelo
Bruno VIARD

L'image du peuple dans La Ville Noire
Keiko INADA

La figure de la courtisane chez George Sand : Isidora
Kyoko MURATA

La question des femmes dans les Contes d'une grand-mere
Chiho AKIMOTO

Entre l'art et la politique : le moment des Lettres d'un voyageur (1835-1837)
Jose-Luis DIAZ

【Liste des contributeurs】
Francoise van ROSSUM-GUYON, Universite d'Amsterdam(フランソワーズ・ヴァン・ロソム・ギュイヨン)
Haruko NISHIO, Universite Keio(西尾治子)
Mieko ISHIBASHI, Universite Chikushi-Jogakuen(石橋美恵子)
Anne-Marie BARON, Societe des Amis d'Honore de Balzac et de la maison de Balzac(アンヌ=マリ・バロン)
Chikako HIRAI, Universite de Kansai Gaidai(平井知香子)
Nicole SAVY, Bibliotheque litteraire Jacques Doucet(ニコル・サヴィ)
Naoko TAKAOKA, Universite feminine de Nara(高岡尚子)
Kyoko WATANABE, Universite Meiji(渡辺響子)
Chiyo SAKAMOTO, Universite de Kobe(坂本千代)
Beatrice DIDIER, Ecole Normale Superieure (Ulm)(ベアトリス・ディディエ)
Bruno VIARD, Universite de Provence(ブリュノ・ヴィヤール)
Keiko INADA, Universite Kwansei Gakuin(稲田啓子)
Kyoko MURATA, Universite prefectorale d'Osaka(村田京子)
Chiho AKIMOTO, Universite Keio(秋元千穂)
Jose-Luis DIAZ, Universite Paris 7-Denis Diderot(ジョゼ=ルイズ・ディアス)

B5変型判/上製/224頁
初版年月日:2006/10/10
出版社 : 慶應義塾大学出版会
ISBN:978-4-7664-1225-3
(4-7664-1225-7)
Cコード:C3098
書籍価格 8400円
http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/4766412257/">


(3)『200年目のジョルジュ・サンド 解釈の最先端と受容史』 2012年5月23日 新評論


著者・編者・訳者 日本ジョルジュ・サンド学会
執筆者(50音順)/稲田啓子・宇多直久・太田敦子・小倉和子・河合貞子・坂本千代・岡尚子・新實五穂・西尾治子・平井知香子・村田京子・渡辺響子

発行年月日 2012年5月23日
出版社 新評論
書籍価格(消費税込) 3150円
ISBNコード ISBN978-4-7948-0898-1
版型 A5判並製
頁数 288ページ

http://www.shinhyoron.co.jp/cgi-db/s_db/kensakutan.cgi?j1=978-4-7948-0898-1#.T8fyp5l1Dwg
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