西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
本ブログ記事の無断転載および無断引用をお断りします。
 

『作家の聖別』

2016年06月11日 | 翻訳 traduction
『作家の聖別――フランス・ロマン主義 Ⅰ』
ポール・ベニシュー著
片岡大右+原大地+辻川慶子+古城毅訳
水声社 2015年
A5判上製/688頁/定価=8000円+税
ISBN978-4-8010-0028-5 C0098 

驚くべきこと、ほとんど奇跡とも思えることであるが、最初
の羽ばたきのときには時代遅れのものに映ったこの偉大な
業績は、時の流れを受けて今、永遠の空を飛翔している。
――フランソワ・フュレ(革命史家)

19世紀前半、宗教的権力に代わり、世俗的な聖職者たらん
とした詩人、文学者たちの「聖別」の過程を克明に追いなが
ら、いかにして文学が高い精神的職務を担うよう求められる
に至ったのかを論じる。フランス・ロマン主義を徹底的に
解明する長大評論の第一巻。

〈ベニシューのロマン主義研究は、文学的なものの社会的
身分規定を探求する歩みそれ自体を通して、非宗教化された
社会生活を律しうる新たな正当化原理の形成という、フラン
ス的近代の全体を貫く―そして私たちの生きる近代それ自体
の根本的性格とも関わっているはずの―広範な問題系へと道
を開く。〉「ポール・ベニシューとその時代(1)」より

【目次】
作家の行程―ポール・ベニシューへのインタビュー

作家の聖別
序論

第一章 世俗的聖職を求めて
1 「文人」と新しい信仰
2 〈啓蒙の世紀〉における詩人
3 革命の危機

第二章 神聖詩人

第三章 イリュミニスムと詩―
    ルイ・クロード・ド・サン=マルタン

第四章 反革命と文学
1 文人の失墜
2 対哲学
3 神聖詩人とキリスト教詩人
4 感性と宗教
5 「キリスト教精髄」あるいは感性的人間の回心
6 反革命の両義性
7 ピエール=シモン・バランシュ
8 詩人の出現―ラマルチーヌの登場

第五章 自由主義派の貢献
1 セナンクール
2 初期ノディエと「瞑想者たち」
3 世俗的スピリチュアリスム―美学
4 ジェルメーヌ・ド・スタールとバンジャマン・コンスタン
5 折衷主義―クザン、ジュフロワ

第六章 神智論者の詩学

第七章 ロマン主義革命
1 王党派ロマン主義
2 『フランス詩神』
3 自由主義的ロマン主義―スタンダール
4 自由主義者と
5 統一ロマン主義、ノディエ、第二セナークル
6 ロマン主義とフランス社会

第八章 偉大な世代の登場
1 アルフレッド・ド・ヴィニー
2 ヴィクトル・ユゴー
3 サント=ブーヴ

第九章 一八三〇年と〈若きフランス〉
1 若きロマン主義とブルジョワジー
2 〈若きフランス〉またはプチ・セナークル
3 ペトリュス・ボレル
4 フィロテ・オネディ
5 ジェラール・ド・ネルヴァル
6 テオフィル・ゴーチエ

巻末の省察


人名索引

ポール・ベニシューとその時代(一) 片岡大右
訳者あとがき

【著者/訳者について】
ポール・ベニシュー(Paul Bénichou)  
1908年、トレムセン(アルジェリア)生まれ。2001年パリ
に没した。ユルム街の高等師範学校(フランス、パリ)に学
ぶ。第二次大戦中のアルゼンチン亡命を挟み、戦前・戦後に
かけて長くフランスで中等教育に携わった後、1958年にハー
ヴァード大学(アメリカ合衆国)に招かれて、以後79年まで
フランス文学およびスペイン口承文学を講じた。1948年の
『偉大な世紀のモラル』(朝倉剛・羽賀賢二訳、法政大学出
版局、1993)に始まり、1973年の『作家の聖別』(本書)
以降、『預言者の時代』(1977)、『ロマン主義の祭司』
(1988)、『幻滅の流派』(1992)と書き継がれた四冊の
「フランス・ロマン主義の哲学的歴史」を経て1995年の
『マラルメに従って』に至る一連の著作は、17世紀以降の
フランス文学・思想史を刷新する壮大なパノラマを描き出
している。


片岡大右(かたおかだいすけ) 1974年北海道生まれ。
東京大学大学院人文社会系研究科にて博士号取得。現在、
同研究科研究員。フランス文学・思想史。著書に『隠遁者、
野生人、蛮人―反文明的形象の系譜と近代』(知泉書館、
2012)、最近の論文に« Chateaubriand disciple infidèle
de Pascal »(RHLF, à paraître en 2015)、共訳書に
F・ドゥノール&A・シュワルツ『欧州統合と新自由主義―
社会的ヨーロッパの行方』(論創社、2012)などがある。

原大地(はらたいち)  1973年東京都生まれ。東京大学
大学院人文社会系研究科単位取得退学。パリ第四大学にて博
士号取得。現在、慶應義塾大学商学部准教授。フランス語・
フランス文学。
著書にLautréamont : vers l’autre (L’Harmattan,
2006)、『牧神の午後―マラルメを読もう』
(慶應義塾大学教養研究センター選書、2011)、『マラルメ 
不在の懐胎』(慶應義塾大学出版会、2014)などがある。

辻川慶子(つじかわけいこ)1973年大阪府生まれ。京都大学
大学院文学研究科単位取得退学。パリ第八大学にて博士号取
得。現在、白百合女子大学准教授。19世紀フランス文学。
著書にNerval et les limbes de l’histoire. Lecture des
Illuminés (Genève, Droz, 2008)、共訳書にブリュノ・
ヴィアール『100語でわかるロマン主義』(白水社、2012)
などがある。


古城毅(こじょうたけし)1975年東京都生まれ。東京大学
大学院法学政治学研究科にて博士号取得。現在、学習院大学
法学部教授。政治学史。主な論文に「商業社会と代表制、
多神教とデモクラシー(1)‐(5)」(『国家学会雑誌』
第127巻、3・4号‐11・12号、2014)、「フランス革命期
の共和政論―コンスタンと、メストル、ネッケル、スタール
―」(『国家学会雑誌』第117巻、5・6号、2004)、訳書
にブリュノ・ベルナルディ『ジャン=ジャック・ルソーの
政治哲学―一般意志・人民主権・共和国』(共訳、勁草書房、
2014)などがある。

ーーー
<覚え書き>
ベニシューのフュマロリによる説明には、「フランス的
例外」を特権的色彩のもとに論じる「精神の外交」や
「ヨーロッパがフランス語を話していた頃」の著者自身
の傾向が色濃く反映している。しかし、十八世紀フラン
スにおける著作家の状況をめぐるトクヴィルとサルトル
の分析の共通性を指摘し(・・・)

本書ではベニシューはサンドについて言及していない
ようですが、巻末の「ベニシューとその時代(一)」に
次のような記載がありました。

文学者たちのこの共同体は、二月革命によって実現した
「ロマン派の共和国」(・・・)ーラマルチーヌが政府
首班を努め、ジョルジュ・サンドが公報を執筆し、ユゴ
ーが憲法制定議会議員であったーにおいて体制それ自体
とひと時一体化した後、直ちに経験された幻滅を経て、
信者も神も欠いた「対象なき祭司職」(本書22頁)の
うちに沈潜していく。(p660)

翻訳者のお一人の辻川慶子氏(白百合女子大学)は、
ブリュノー・ヴィアール著『100語でわかるロマン主義』
(白水社 2012)の訳者でもおられます。
5月末に開催された「バルザック・サンド合同研究会」
にもご多用の中をご参加下さいました。
氏の様々なご厚情に深く感謝申し上げます。
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「日仏翻訳文学賞」2016

2016年05月28日 | 翻訳 traduction
小西国際交流財団「日仏翻訳文学賞」

 この賞は日仏の文学作品の翻訳者を顕彰するものです。
主として文芸分野が対象ですが、より広い視野で人文科学分野も
含まれます。選考が行われる年の3月31日から過去2年以内に
出版された作品が選考対象となります。

第21回日仏翻訳文学賞授賞式
 毎年2つの賞が授与されます。ひとつは日本語からフランス語
への翻訳作品に対し、フランスで授与されます。授賞式はパリの
在フランス日本大使館で行われます。もうひとつはフランス語から
日本語への翻訳作品に対して授与されます。

 今年、日本側の選考委員を務めたのは、選考委員長の野崎歓氏
(東京大学教授)、堀江敏幸氏(早稲田大学教授)、澤田直氏
(立教大学教授)の3人で、いずれも日本を代表するフランス文学
翻訳家です。今回の受賞者には、ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』
(光文社、2013年)を翻訳した平岡敦氏(中央大学)が選ばれました。

 平岡氏はこれまでモーリス・ルブランやダニエル・ぺナックをはじめ、
ジャン=クリストフ・グランジェ、ミッシェル・オスロ、ギ・ド・
モーパッサンなど、さまざまな作風の作家の作品50作以上の翻訳を
手がけてきました。2015年秋に出版された2013年ゴンクール賞
受賞作のピエール・ルメートル『天国でまた会おう』の翻訳でも
高い評価を得ました。

 授賞式はティエリー・ダナ駐日フランス大使出席のもと、フランス
大使公邸で行われました。日本語からフランス語への翻訳作品に対する
日仏翻訳文学賞は2016年秋、鴨長明『発心集』(ル・ブリュイ・デュ・
タン出版、2014年)の翻訳者であるジャクリーヌ・ピジョー氏に授与されます。


 小西国際交流財団の日仏翻訳文学賞は1993年12月、日仏の翻訳者の
努力を顕彰するとともに、日本語とフランス語の翻訳を支援することで
両国間の文化交流を促進する目的で創設されました。
 小西国際交流財団は国際交流に尽力し、日仏翻訳文学賞の選考委員は
常に日本とフランスの文学に通暁した著名な専門家が務めています。


http://www.ambafrance-jp.org/article10244
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Nouvelle George-Sand : " Une lumière "

2016年05月24日 | 翻訳 traduction
ジョルジュ・サンド文学賞コンクールが、毎年、開催されています。
中編小説が対象です。
今年のテーマは、" Fragments"とのことです.


Nouvelle George-Sand : " Une lumière "

Une lumière, telle était le thème du concours international
de la nouvelle George-Sand, lors de l'édition 2015.

Sur les 278 manuscrits reçus par les organisateurs, 7 ont
particulièrement retenu l'attention du jury et figurent aujourd'hui
dans le tout nouveau recueil baptisé Une lumière, qui vient de
paraître aux Éditions L'Harmattan. Entre autres textes, on trouvera
notamment celui d'Anne- Marie Alliot Schaettel, lauréate de
l'édition 2015.

Ce concours de nouvelles, créé en hommage à l'auteure, est
ouvert à toutes les femmes s'exprimant en français.

Le thème choisi pour cette année 2016 est Fragments.
L'envoi de manuscrits est possible jusqu'au 15 juin.

« Une lumière », recueil de nouvelles du Concours littéraire
francophone de la Nouvelle George Sand,
Éditions L'Harmattan, 81 pages, 12 €

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『吾輩は日本作家である』

2015年03月18日 | 翻訳 traduction
『吾輩は日本作家である』
ダニー・ラフェリエール 著
立花英裕 訳
四六上製 288ページ
ISBN-13: 9784894349827
刊行日: 2014/08
定価: 2,592円

「世界文学」の旗手による必読の一冊!
「寿司はお好きですか?―いや。」
編集者に督促され、訪れたこともない国名を掲げた新作の構想を口走った「私」のもとに、次々と
引き寄せられる「日本」との関わり――国籍や文学ジャンルを越境し、しなやかでユーモアあふれ
る箴言に満ちた作品で読者を魅了する著者の、アイデンティティの根源を問う話題作。
昨年アカデミー・フランセーズに選出され、今、世界的に注目を集める作家の最新邦訳。

私の嫌いなものがまた出てきた。本物主義というやつだ。
本物のレストラン、本物の人たち、本格的なもの、
本当の人生なんて、これ以上の偽物はない。
人生は、もっと違う場所にある。
(本書より)

●ダニー・ラフェリエール(Dany Laferrière)
1953年、ハイチ・ポルトープランス生まれ。小説家。
4歳の時に父親の政治亡命に伴い、危険を感じた母親によってプチゴアーヴの祖母の家に送られる。
彼にとっての「最初の亡命」であり、創作の原点と後に回想。若くしてジャーナリズムの世界に入るも、
23歳の時に同僚が独裁政権に殺害されたため、カナダ・モントリオールに亡命。
1985年、処女作である『ニグロと疲れないでセックスする方法』(邦訳藤原書店)で話題を呼ぶ
(89年に映画化。邦題『間違いだらけの恋愛講座』)。90年代はマイアミで創作活動。
2002年より再びモントリオール在住。『エロシマ』(87年)『コーヒーの香り』(91年)
『甘い漂流』(94年、邦訳藤原書店)『終わりなき午後の魅惑』(97年)
本書『吾輩は日本作家である』(08年)『帰還の謎』(09年、モントリオールの書籍大賞、
フランスのメディシス賞受賞。邦訳藤原書店刊)など作品多数。
2010年にはハイチ地震に遭遇した体験を綴る『ハイチ震災日記』(邦訳藤原書店)を発表した。
その他、映画制作、ジャーナリズム、テレビでも活躍している。2013年、アカデミー・
フランセーズ会員に選出される。

●立花英裕(たちばな・ひでひろ)
1949年生。フランス語圏文学。早稲田大学教授。
共著に『アジア文学におけるフランス的モデルニテ』(仏文、PUF)など。
共編著に『21世紀の知識人―フランス、東アジア、そして世界』(藤原書店)など。
訳書にピエール・ブルデュー『国家貴族 Ⅰ・Ⅱ』、ダニー・ラフェリエール『ハイチ震災日記』
『ニグロと疲れないでセックスする方法』(藤原書店)など。
共訳書に、フリオ・コルタサル『海に投げ込まれた瓶』(白水社)
ブシャール『ケベックの生成と「新世界」』(彩流社)
『月光浴―ハイチ短篇集』(国書刊行会)
エメ・セゼール『ニグロとして生きる』(法政大学出版局)など。
2009年、ケベック州政府からアメリカ地域フランコフォン功労賞を受賞。

「世界文学」としての芭蕉とラフェリエールの出会い(藤原書店)立花英裕 2014年8月15日
http://fujiwara-shoten.co.jp/main/ki/archives/2014/08/post_2376.php


http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=1397
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野間文芸翻訳賞

2014年07月26日 | 翻訳 traduction
受賞作一覧
第1回から第10回
•第01回(1990年・英語) ジョン・ベスター 『三島由紀夫短編集』(原作: 三島由紀夫) 講談社インターナショナル
•第02回(1991年・フランス語• ヴュロニッタ・ベラン 『杏子』(原作: 古井由吉) ピキエ社 パトリック・ドゥ・ヴォス 『羊をめぐる冒険』(原作: 村上春樹) スイユ社
•第03回(1992年・英語) デニス・キーン 『幽霊』(原作: 北杜夫) 講談社インターナショナル
•第04回(1993年・ドイツ語)ジークフリート・シャールシュミット 『天人五衰』(原作: 三島由紀夫) ハンザー社 - 『天人五衰』の翻訳を中心とした永年の業績 ユルゲン・ベルント - 遠藤周作の翻訳を中心とした永年の業績
•第05回(1994年・イタリア語) マリア・テレーザ・オルシ 『桜の森の満開の下 / 他』(原作: 坂口安吾) マルシリオ社 - 坂口安吾の翻訳を中心とした永年の業績
•第06回(1995年・英語) エドウィン・マクレラン 『忘れ残りの記』(原作: 吉川英治) 講談社インターナショナル
•第07回(1996年・スペイン語) フェルナンド・ロドリゲス=イスキエルド 『他人の顔』(原作: 安部公房) シルエラ社
•第08回(1997年・スカンディナヴィア諸国言語) グニラ・リンドベリ=ワダ 『春の雪』(原作: 三島由紀夫) シュルツ社 - 『春の雪』の翻訳を中心とした永年の業績
•第09回(1998年・フランス語)カトリーヌ・アンスロー 『たった一人の反乱』(原作: 丸谷才一) ロベール・ラフォン社 ジャック・ラローズ 『夏の闇』(原作: 開高健) フィリップ・ピキエ社
•第10回(1999年・ドイツ語) オットー・プッツ 『吾輩は猫である』(原作: 夏目漱石) インゼル社、『芽むしり仔撃ち』(原作: 大江健三郎) S.フィッシャー社
•第11回(2000年・オランダ語) ヤコバス・ニコラース・ウェスタホーヴェン[2] 『石の来歴』(原作: 奥泉光) ミューレンホフ社
•第12回(2001年・イタリア語) ジョルジョ・アミトラーノ 『銀河鉄道の夜』(原作: 宮沢賢治) マルシリオ社
•第13回(2002年・中国語) 陳薇 『永井荷風選集』(原作: 永井荷風) 作家出版社
•第14回(2003年・英語) ジェイ・ルービン 『ねじまき鳥クロニクル』(原作: 村上春樹) Alfred A. Knopf社
•第15回(2005年・韓国語) 梁潤玉 『日蝕』(原作: 平野啓一郎) 文学トンネ社
•第16回(2007年・ロシア語) ボリス・アクーニン - ソ連時代にファシストとして発禁の三島由紀夫作品を翻訳した業績
•第17回(2009年・フランス語[1] )
•アンヌ・バヤール=坂井 『池袋ウエストゲートパーク』(原作: 石田衣良) フィリップ・ピキエ社
•ジャック・レヴィ 『奇蹟』(原作: 中上健次) フィリップ・ピキエ社
•第18回(2011年・中国語)岳遠坤 『徳川家康 13』(原作: 山岡荘八) 南海出版公司刊•陸求実 『東京湾景』(原作: 吉田修一) 文汇出版社刊
•第19回(2013年・英語)ロジャー・パルバース『雨ニモマケズ』(原作:宮沢賢治)Bloodax社
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日仏翻訳交流の過去・現在・未来/4月19日(土)4月20日(日)

2014年03月19日 | 翻訳 traduction
日仏会館一階ホール

◎4月19日(土)9:45~17:00 《古典文学の翻訳》、《近現代文学の翻訳》
◎4月20日(日)9:30~18:00 《思想・人文科学の翻訳》、《歴史・社会科学の翻訳》

【開会の辞】 塩川徹也(東京大学名誉教授、学士院会員)

【登壇者】
セシル・坂井(パリ第七大学)
宮下志朗(放送大学)
アンヌ・バイヤール=坂井(イナルコ、立教大学招聘研究員)
秋山伸子(青山学院大学)
ダニエル・ストリューヴ(パリ第七大学)
荻野アンナ(作家、慶応大学)
ラキス・プロギディス(文芸誌『ラトリエ・デュ・ロマン』編集長)
篠田勝英(白百合女子大学)
西永良成(東京外国語大学名誉教授)
ディディエ・シッシュ(甲南大学)
吉川一義(京都大学名誉教授)
パトリック・オノレ(翻訳家)
津島祐子(作家)
エストレリータ・ワッセルマン(東京大学)
ブノワ・デュトルトル(作家)
小野正嗣(作家、明治学院大学)
澤田直(立教大学)
湯浅博雄(東京大学名誉教授)
エマニュエル・ロズラン(イナルコ)
塚本昌則(東京大学)
ミカエル・リュケン(イナルコ)
西谷修(東京外国語大学)
ニコラ・モラール(ジュネーヴ大学、日仏会館・フランス国立日本研究センター)
三浦信孝(中央大学)
ピエール・スイリ(ジュネーヴ大学)
菅野賢治(東京理科大学)
コリーヌ・カンタン(翻訳家、フランス著作事務所)
渡名喜庸哲(東洋大学)
アルノ・ナンタ(日仏会館・フランス国立日本研究センター)
福井憲彦(学習院大学)
勝俣誠(明治学院大学)
真島一郎(東京外国語大学)

http://www.mfj.gr.jp/agenda/2014/04/index_ja.php#anchor_267
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翻訳とは・・・

2014年02月27日 | 翻訳 traduction


言語をほどき紡ぎなおす者たち───海外文学界の第一線で活躍する翻訳家9名の仕事場を訪ねて
vol.3 <和田忠彦/鴻巣友季子/沼野充義>

文芸翻訳家たちに訊いた“翻訳”という営為の魅力

連載:映画『ドストエフスキーと愛に生きる』連動企画

第一回の柴田元幸さん(アメリカ文学研究者・翻訳者)、きむふなさん(日本・韓国文学翻訳家)、野崎歓さん(フランス文学者・翻訳家)、第二回の野谷文昭さん(東京大学名誉教授・ラテンアメリカ文学翻訳家)、松永美穂さん(早稲田大学教授・ドイツ文学翻訳家)、飯塚容さん(中央大学教授・中国文学翻訳家)に続き、今回は和田忠彦さん(東京外国語大学教授・イタリア文学翻訳家)、鴻巣友季子さん(翻訳家・エッセイスト)、沼野充義さん(東京大学教授・スラヴ文学者)が登場する。


「翻訳」という営為の魅力はなにか
・ある人が自ら何かを書くとなったときに、気がついたら私が訳した小説や詩の影響をこうむっていた、ということを発見する、あるいはそれがテクストを通してこちらに伝わってくることが、翻訳をする際の、ある種の自分のやりがいです。

・よく「役者と訳者」と言われるように、何通りもの他者の言葉を生きていけることです。原文という浮き輪が無ければ潜れない深海にまで行けるし、時には空を飛ぶこともできる、そんな心持ちを経験できるのが、翻訳者の醍醐味だと思います。

・最先端の科学のような難しい学問と比べて、小説を読むくらいどうってことない、と人は思いがちですが、文学の言葉の表現というのは、人間のつくり出した中で最高度に複雑なものです。その上、言語を越えて別の緻密な世界に入っていく翻訳という行為は、ワクワクするような冒険なのです。外国文学の秘宝を発掘するためには、やはり自分で翻訳をやらなければならない。自分が納得して理解できたと感じられるには、翻訳するしかないのです。つまり翻訳家は、自分が作品を一番楽しみたいと思っている、とてもわがままな人間なのです。

http://www.webdice.jp/dice/detail/4113/

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TRADUIRE ROUSSEAU

2012年11月26日 | 翻訳 traduction
TRADUIRE ROUSSEAU
APPEL À CONTRIBUTION
Information publiée le jeudi 15 novembre 2012 par Matthieu Vernet (source : Catriona Seth)

Date limite : 15 décembre 2012

Traduire Rousseau
Nancy, 28 mars 2013
Traduire Rousseau II – Les oeuvres autobiographiques

Après la journée du 6 juin 2012 consacrée à La Nouvelle Héloïse, l’Université de Lorraine (Groupe LIS : CELJM et ROMANIA) lance un appel à communications pour un nouveau volet des investigations collectives de traductions de Rousseau. La journée d’étude du 28 mars, qui se tiendra à Nancy, sera consacrée à la traduction des oeuvres autobiographiques (Confessions, Dialogues, Rêveries). Les propositions d’études seront les bienvenues, quels que soient le domaine linguistique, l’époque ou le type d’approche (syncrétique ou diachronique, micro-lecture ou panorama historique etc.) : les interventions pourront porter sur une ou plusieurs traductions spécifiques – du XVIIIe siècle à nos jours – et les choix de l’auteur, sur la périodisation de l’adaptation linguistique des écrits autobiographiques de Rousseau, voire sur des translations d’épisodes ou de structures dans des aires plus ou moins lointaines. Les personnes intéressées sont priées de faire parvenir un bref résumé de leur proposition (une demie-page) à Elsa Chaarani (Elsa.Chaarani@univ-lorraine.fr) et à Catriona Seth (Catriona.Seth@univ-lorraine.fr ) avant le 15 décembre 2012.
La publication des actes est prévue, avec ceux de la journée d’étude sur La Nouvelle Héloïse et ceux d’une troisième journée à venir sur les oeuvres politiques.

Responsable : Elsa Chaarani et Catriona Seth


Mariage du Duc de Joyeuse à Paris, 1581 - Wikimédia

Yannick Chevalier, professeur de stylistique à l’université Lyon-II, présent au festival des idées Mode d’emploi, est spécialiste des rapports entre langue et genre.

Le français a deux genres, masculin et féminin : y a-t-il des langues non genrées ?

Il existe tous les cas de figure. Certaines langues ne présentent pas de genre : par exemple, le titre du roman Elle et lui de George Sand est intraduisible en hongrois. D’autres langues en ont trois ou plus. Par exemple, le neutre que l’on emploie pour parler des bébés en anglais ou des filles non mariées en allemand : la sexuation des corps n’est donc pas toujours une donnée pertinente pour les langues.

Comment le français s’est-il retrouvé avec seulement deux genres, alors que c’est une langue issue du latin ?

Progressivement, les mots latins de genre neutre se sont répartis en français entre masculin et féminin, sans doute selon les terminaisons et la manière dont les gens les percevaient. Par exemple, quand le mot «automobile» est apparu, c’était un masculin, car il était dérivé de «mobile». Mais l’usage du féminin l’a emporté à cause de la finale en «e» et de l’analogie avec le féminin de «voiture».

Y a-t-il un moment précis dans l’histoire où l’on a défini le genre des mots ou est-ce l’usage qui s’est imposé ?

Généralement, c’est l’usage qui l’emporte, mais concernant le français, les grammairiens et les lexicographes, ceux qui font les dictionnaires, ont joué un rôle important. Ils ont fixé le genre des mots en suivant le «bon usage», comme l’a appelé le grammairien Claude Favre de Vaugelas, c’est-à-dire la manière dont la noblesse de cour parlait le français au XVIIe siècle : c’est donc l’usage restreint de ce groupe social en position hégémonique qui a servi de norme pour fixer le genre de mots qui pouvait être flottant dans les autres classes sociales ou dans les parlers régionaux.

Quand décide-t-on que le masculin doit l’emporter sur le féminin ?

L’Académie française a imposé cette règle au XVIIe siècle. Auparavant, l’usage était souvent l’accord avec le mot le plus proche : «Le couteau et lA fourchette sont poséEs sur la table». Cette décision s’est fondé sur des considérations politiques plus que linguistiques. Ce fut une manière supplémentaire pour rappeler la «supériorité» sociale des hommes sur les femmes.

S’il n’est pas faux de considérer que le genre masculin, lorsqu’il désigne les êtres humains, l’emporte sur le féminin par sa capacité à exprimer la généralité, c’est très contestable pour le genre des mots désignant des objets inanimés et non sexués, comme couteau et fourchette. La grammaire a souvent été une discipline au service du pouvoir : aujourd’hui, il nous faut être particulièrement vigilant(e)s pour que les descriptions linguistiques des langues ne reconduisent pas une idéologie sexiste.


Duc Joyeuse の結婚 1581年
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『バンジャマン・コンスタン日記』高藤冬武/訳

2011年12月27日 | 翻訳 traduction
「人生の悶乱苛立」の軌跡
フランス革命後、ナポレオン・ボナパルトの登場とその反動の切り深き時代のジャーナリストにして宗教思想家、そしてなにより恋なくしては生きられなかった文人(・・・)・
スタール夫人の燦めきに惹かれつつ、デュ・テルトル夫人シャルロットの情に魅惑され、この二人の女性の間を揺れ動きながら、
サロンに出入りし、多くの女性に恋を仕掛け、エゴティスムのうごめくままに自伝的ロマン『アドルフ』を書き、ギリシャ・ローマの古典を読み耽り、劇場にしげく足を運び『悲劇論』を構想。   (「読売新聞」書評より)

『バンジャマン・コンスタン日記』
バンジャマン・コンスタン/著 高藤冬武/訳 
九州大学出版会/ 9870円
ISBN 978-4-7985-0046-1
仕様 A5判 上製 770頁 C1098
発行年 2011年6月

内容紹介
本書は,恋愛心理分析小説の最高傑作の一つ『アドルフ』の作者にして,政治家,政論家,宗教思想史家,コスモポリタンであり,さらに恋愛のマキャベリスト,漁色家,賭博狂という顔も持つ八面相人間バンジャマン・コンスタン(1767年スイスローザンヌ生,1830年パリ没・国葬)の「日記」の翻訳である。モーリヤックをして「ルソー,ジッドもその足下にも及ばぬ魂の告白書」と言わしめた全心露出の「日記」の記述は,別れるに別れられぬスタール夫人との愛憎半ばする悪縁と,既婚ドイツ夫人シャルロットとの離叛再会愛憐の,愛憎と愛憐に展開する〈男女愛欲三つ巴の修羅場〉を中心とする。そこにナポレオン帝政・王政復古・ナポレオン百日天下の渦中を生きる政治家コンスタンの〈延命の変節と自由擁護の節義〉,大著『宗教思想史』執筆の〈難渋苦行〉,レカミエ夫人に対する狂恋(人生半ばの魔démon de midi)などが加わり,内容は多岐にわたる。訳文は「創作的翻訳」による彫心縷骨の擬古文体,待望の本邦初訳である。

訳者は下記のような紀要論文も発表されています。

タイトル: 翻訳 バンジャマン・コンスタン『日記』(II)
タイトル(別表記): Traduction : Journaux Intimes de B. Constant (II) : <Amélie et Germaine>
著者: 高藤, 冬武
著者名ヨミ: タカトウ, フユタケ
著者名(別表記): Takatô, Fuyutaké
著者情報: 九州大学言語文化部 / Institute of Languages and Cultures
出版年: 1994-03-30
刊行元: 九州大学言語文化部
刊行元(別表記): Institute of Languages and Cultures, Kyushu University
掲載情報: 言語文化論究 || 5 || p147-156 / Studies in Languages and Cultures || 5 || p147-156
ISSN: 1341-0032
言語: jpn
資料種別: 翻訳 / Translation / 紀要論文
資料種別(NII基準): Departmental Bulletin Paper
査読有無: unrefereed
抄録: L'auteur d'Adolphe, Benjamin Constant (1767 Lausanne-1830 Paris) nous a laissé ses Journaux Intimes qui couvrent la période de 1803 à 1816 et nous font découvrir les années cruciales de son existence entre sa 35e et 48e année. Si on ne tient compte des quelques blancs pendant lesquels Constant est resté muet, les Journaux constituent un monument assez important qui illustrent neuf années de la vie de l'auteur. Le thème central des Journaux est une lutte perdue d'avance, menée sans relâche par l'auteur à vouloir concilier l'incon ciliable. Concilier d'abord à la fois son propre bonheur et celui de sa partenaire Mme de Staël (=Germaine). Une Mme de Staël qui exige constamment d'un homme qu' il se soumette à tous ses désirs ; un homme libre, Constant, pour qui toute forme d'esclavage empêche le bonheur. Concilier ensuite les deux êtres qu' ils sont, engagés dans une relation sinueuse : lui, Constant dont la sexualité extrême ne peut se passer d'un corps de femme, et elle, Mme de Staël qui ne peut satisfaire ce désir. ≪Je ne puis vivre comme nous vivons. Je ne le puis pour mille raisons et pour une raison bien insurmontable : j' ai besoin de femmes, Germaine n' a point de sens, je déteste une liaison subalterne.≫ (le 2 mars 1803)
Traduit ici est la deuxième moitié d' Amélie et Germaine qui constitue le début des Journaux.
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Agota Kristof est morte

2011年07月30日 | 翻訳 traduction
ペンネームが英国のミステリー作家アガサ・クリスティに似ているので間違えられそうですが、現代仏文学関係者の間ではよく知られているアゴタ・クリストフ(世界的に知られる大ヒット作:"Grand Cahier" 堀茂樹訳『悪童日記』)が、7月27日に亡くなられたそうです。1935年のハンガリー生まれですから、享年76才という惜しまれる死でした。

かつてパリに滞在していた時に、本屋さんで偶然手にして初めて読んだアゴタ・クリストフの"Grand Cahier"。その文体と内容の迫力に圧倒され、とうとう夜を徹して読み終えてしまったことを思い出します。

『悪童日記』"Grand Cahier"は、二人の双子の少年が戦時下の貧困の中で成長していく様を描いた一人称小説(語り手が「ぼくらは」という一人称複数で語り、物語が進行してゆく)です。これは是非とも翻訳して世に紹介すべき偉大な作品なのではないかというのが、その時に覚えた読後感でした。

帰国後、ある外国語学校の上級クラスの講読の授業で、早速、原著の"Grand Cahier"をテキストに使ってみました。ところが、社会人がおもな生徒のこのクラスでは、皆さんとてもよく訳が出来るので不思議に思っていたところ、なんとすでに立派な翻訳が出ていたのでした。

『悪童日記』"Grand Cahier"を翻訳されたのは、アニー・エルノーAnnie Ernaux の名訳でもよく知られる堀茂樹氏。早川書房から出版されています。直訳では「大きな手帳」という意味の"Grand Cahier"を『悪童日記』と訳出されたのは、烏滸がましいことながら、翻訳者のこの小説への深い思い入れが反映されている秀逸な訳と言えるのではないでしょうか。

この小説は連続する四部作の第一作目となっており、第四作目の『昨日 Hier』は映画化もされています。映画はまだ見ていませんが、この四部作もミステリーの内容と脚本調のテンポの速い文体に惹かれて一気に読んでしまうことができます。

外国語学校での未熟な教師の体験から数年後のこと、大学の教員食堂で『悪童日記』の翻訳に纏わる抱腹絶倒の裏話を堀茂樹先生ご本人からお伺いすることになったのでしたが、翻訳者のプライベートに関わることなのでここで愉快なお話を披露することができないのが残念です。

いずれにしても、まだお読みになられたことのない方に是非お薦めしてみたい一冊です。

Agota Kristof est morte

Agota Kristof, l'auteure du Grand Cahier (Seuil, 1986), est décédée ce mercredi 27 juillet à son domicile de Neuchâtel. Née en 1935 en Hongrie, elle avait fui l'oppression communiste à l'âge de 21 ans, avec son mari et leur bébé. Réfugiée en Suisse, elle a raconté dans un récit autobiographique, L'analphabète, comment elle dut réapprendre une langue, le français, pour retrouver une culture et les moyens de s'exprimer.

Le Grand Cahier, traduit en 30 langues, raconte le destin de deux jumeaux livrés à eux-mêmes. Le livre a fait scandale en 2000 à Abbeville quand plusieurs parents d'élèves se sont plaints à la police qu'un enseignant le fasse lire aux collégiens, car ils jugeaient certains passages trop crus. Soutenu par sa hiérarchie, l'enseignant a pu continuer à faire étudier ce texte.

Agota Kristof a écrit aussi une dizaine de pièces de théâtre, tandis qu'Hier, un de ses romans, était adapté au cinéma en 2002.
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