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読書感想「震災キャラバン」高嶋哲夫

2020年07月04日 21時57分57秒 | 乱読本感想
集英社 2011年10月20日

コロナ禍の中でいつもとは違う生活をしているといつもとは違う本に出あう。
東日本大震災が題材になっているロードノベルだ。
高嶋哲夫と言えば「災害三部作」「予言小説」
そうでない(人を描いた)作品もあると知っているが、私の中ではそのイメージで凝り固まっている。
この作品は災害を扱っているが、いつもの災害小説ではなく”そうでない作品”になっている。
神戸から被災地に、支援物資を積み込んだバンに乗って人探しに向かう。
その一連の物語は当時に、そしてその後にいろいろな形で発信された内容と変わったものは無い。
あまりにも多くの人がかかわっているのでその”死”も”奇跡”もありふれたように感じた。
それゆえに、小説の中の出来事が現実のひとつひとつに思えた。
この作品、最後まで読んで、発行日を見てちょっと驚いた。
2011年10月25日
その日、2011年3月11日から約半年で発行されている。
予言小説を何作も書く高嶋哲夫もすごいが、この速さもすごいな。

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コメント
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