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読書感想「国宝 上 青春編」「国宝 下 花道編」吉田修一

2024年10月05日 14時40分46秒 | 乱読本感想
朝日新聞出版 2021年09月07日

「おかえり横道世之介」を読んだ後に「国宝」の紹介を見た。映画化されることと大絶賛のレビューに興味を持ち、さっそく購入、読み始めた。
ドラマチックな始まりで、映画になるとより印象的な幕開けになるのだろうと思った。
始まりの1964年元旦、私は物心ついた年齢ではあった。
ただ、そこから綴られる物語の内容は自分とかけ離れ過ぎていて、同じ時代の事には思えなかった。任侠の世界、歌舞伎の世界、時が過ぎてその少年少女がお祖父さんお祖母さんと呼ばれる年齢になっても私はこの作品に入り込めなかった。上巻はそれでもこの先、彼らはどうなっていくのだろう?との興味があったが、下巻になると歌舞伎の演目の内容紹介がこれでもかこれでもかと続く、もちろんその演目が時々の“人”の気持ちを表わしているのだと思うが、間接的な気持ちばかりで物語が進む展開が私は好きではなかった。
主人公・喜久雄や俊介の、そのまわりの人々も含め、歌舞伎界とそのまわりの人々の狂気じみた生き方にも共感が持てなかった。馴染みのない興味のない世界だったからだろう。

ネタバレになるかもしれないが、
上巻で興味があった部分、父親を殺害した人物と喜久雄の関係がどうなるのか?について。
喜久雄は知っていたのか?殺害した人物はなぜ喜久雄を援助し続けたのか?
下巻で明らかになるのかと思っていたが・・・
歌舞伎という妖しい世界に呑み込まれた喜久雄には何も見えなかったのだろうか?そういう人だから“国宝”にまでなったのかな。


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