堀口大學氏に「死後」という題の詩があります。
〈死後〉堀口大學
私の死んだ後(あと)に
一人が私の歌を歌うかも知れぬ
私の知らぬ一人が……
一人がこれ等の歌の中に
彼みずからの愁(さび)しさを見出(みい)で
やさしく小声に
私の名をつぶやくかも知れぬ
私の知らぬ一人が……
敗者であり
弱者であり
そして私の知らぬ一人が
私の死んだ後に
これ等の悲しい歌によって
私を愛してくれるかも知れぬ
私の知らぬ一人が……
堀口大學氏のこの詩を時折なにかの拍子に心のなかでつぶやくとき、私はなんとも言えない不思議な温かみが胸に兆してくるのをいつも覚えるのです。
〈死後〉堀口大學
私の死んだ後(あと)に
一人が私の歌を歌うかも知れぬ
私の知らぬ一人が……
一人がこれ等の歌の中に
彼みずからの愁(さび)しさを見出(みい)で
やさしく小声に
私の名をつぶやくかも知れぬ
私の知らぬ一人が……
敗者であり
弱者であり
そして私の知らぬ一人が
私の死んだ後に
これ等の悲しい歌によって
私を愛してくれるかも知れぬ
私の知らぬ一人が……
堀口大學氏のこの詩を時折なにかの拍子に心のなかでつぶやくとき、私はなんとも言えない不思議な温かみが胸に兆してくるのをいつも覚えるのです。