カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

若杉さん

2010-06-13 23:45:28 | Weblog
はやぶさが帰還した夜。教育テレビ『N響アワー』は若杉弘氏指揮NHK交響楽団のマーラー作曲『交響曲第八番』の素晴らしい演奏。ラヂオから流れる音声を頭の隅で聞きながら、『塔』6月号を見たり、『河野裕子歌集』(砂子屋書房)をひらいたりしていました。


二十代後半の河野先生が第二歌集『ひるがほ』のあとがきに書かれていることば、「私自身に至る、ということは、私自身から創(はじ)まる歌をつくるということであり、それを自らに課するということです。」あらためて読むと、ずしりとたしかな重みを感じることばです。


先ほど、どこからかト短調からヘ短調へ転調していくワルツが聞こえてきました。慌ててメモ。


明日は甥っ子二歳の誕生日。伯父さんはいつも元気で幸せでいるようにと祈ることしかできませんが、二歳、嬉しいです。
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大滝さん

2010-06-13 11:51:59 | Weblog
『文藝春秋』七月号に、大滝和子氏の「すきとおる柱に」と付題された七首が掲載されています。そのなかの掉尾の一首。


すきとおる柱に呼ばれいるような満月の夜ふかく息吸う  大滝和子


「すきとおる柱」とは、満月の光がまっすぐに地上に降りてきて、まるで柱がそこに立っているように見えている様子をいっているのでしょうか。その「柱に呼ばれいるような」とは、はるかな太古、なよたけのかぐや姫が月に呼ばれた感覚に近いのかもしれません。

面白い一首だと思います。
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