奥 油彩
岩田です。今回は、奥さんの油彩7点をご紹介します。
人物画3点、花、下段は富嶽三十六景の赤富士を題材に描いた作品2点と鳥獣戯画を元に色を付けた作品です。
人物は一見、同じ作者が描いたように見えない感もありますが、それぞれ描く対象によって絵肌を変えていて、女性を描いたものと比べると、男性を描いた作品はかなり凹凸をナイフ等で付けているのが分かります。
それらは、雑誌などから画像を選んだその時の印象で変化を付けているのだと思いますが、更には手で擦ってマットな質感にしたり、油彩ならではの艶を活かしたりとバリエーションに事欠きません。
椿の絵は、画家の作品を元に描いたもので、特に描写をしていないのですが、色使いがとても美しく、奥に咲いている真っ赤な椿の花は、花びらの微妙な色が複雑。背景には、補色を意識した色が置かれており、奥さんのセンスが光ります。
鳥獣戯画の作品は、何といっても墨で描かれたものに色を付けて作品に仕立てようというそのアイデアが凄い。
仏像になりすましたカエルを袈裟を着た猿が拝んでいる様子ですが、カエルの色使いを見ると、とても面白い色で描いていますね。全体に言えることですが、色使い一つ取っても、意図を含んでその色にしているというよりも、感覚的に色を選んでいるように見えるのです。
そうした感覚的な色使いと同時に、同じモチーフを繰り返し描きながら、そこに様々なエッセンスを足し引きして作品を作り出していくところに作者の創作の魅力があります。独自の視点で描かれた作品をこれからも楽しみにしています。
ユーチューブでは、作品を画面に近づけたりしながら詳しく解説しています。是非ご覧になって下さいね。
奥さんの動画はこちら