ぼくが泊まった部屋

創太　３年　『ぼくが泊まった部屋』　油彩

僕がアトリエのスタッフになったばかりの七月のはじめ、創太がアトリエの端っこの席でもくもくとこの絵を描いていたのを覚えています。創太が泊まったドイツの古城です。
下塗り段階の絵を見て「こいつは描けるな」と思い、最初の方はあまり絵に関しては教えきれてなかったように思います。
しかーし！！気付けばだんだんと対話する機会も増えて……最後のほうの授業では怒濤の様に、空も、レンガも、樹木も、影も、ここももっと描けると。対話する機会も増えていきました。
でも僕はこの絵が完成するところに立ち会えなかったんです。というわけで夜遅くにアトリエに忍び込んで、いち早く完成を見させていただきました！！
レンガの色味や空の色、ブラウンにコバルトブルーが栄えて綺麗です。創太が描ききったのなら、実際にこの古城を見てない僕が口出しするのはナンセンスかもしれません。
最初の授業で「ここに泊まった」と聞いた時は、すごいなーぐらいにしか思わなかったんですが…今完成して創太とも沢山話しをして「ここに泊まった」と聞くと、こんなにもこの絵が説得力を持ち素晴らしいものかと驚かされました！！
いやー僕は満足です。ほんとに教えられてるのかと時々不安になりますが、皆の作品の完成を見ると楽しくてそんなことも忘れてしまいますね！！
こうすけ