モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

命を感じる!小学生油絵

2022-09-08 22:02:15 | 小学生 絵画


夏希 / 宗一郎 / 舜人  3人とも2年生

朝にめちゃめちゃ弱いマユカです!毎朝まぶたが重い…。
月曜日に小原先生がYouTubeの動画で小学生の油絵を紹介していましたが、今日は写真でのご紹介です。それというのも、夏休みの自由研究等で提出するため、8月半ばにサインを入れたら乾かさずに持ち帰ってしまった子が多かった為です。
中にはサインを入れる時間もなく未完成で持って行ってしまった子もおり、そのような作品は写真すら撮影できず、130人の油絵全てをお披露目できずとても残念です…。
でも、気を取り直して、写真左の夏希からご紹介します!

夏希の油絵は恐竜、手前にいるのはティラノサウルスでしょうか。どっしりと構えるその姿には王者のような風格を感じます。のし、のしと音を立てて歩いている風景が見えてくるようです。木の葉の下の方は暗い色、上に行くほど明るく描いているため、立体感がちゃんと出ています。
緑の多い風景の中で、同じように渋い色合いの恐竜ですが、背景に埋もれずくっきりと見えてくるのは夏希の色使いが上手いからでしょう。明るい色の近くには暗めの色、暗めの色の近くには明るい色…と、交互になるように描かれています。恐竜のお腹の赤が目を引き、青系統の色でまとまった画面のアクセントになっていますね。メインの恐竜を2匹も描くのは大変そうでしたが、最後までしっかり描き上げました!

宗一郎はサーベルタイガーを描いています。牙をむき出し、獲物に飛びかかろうとしているその姿は、弱肉強食の世界で生き残ろうとする強さを感じます。毛並みの黄色は、茶色や黄土色、緑色を混ぜたりと、周囲の色を映しているかのように複雑に重なり合っており、まるでそこにいるかのような空気間を作り出しています。前足や首元、わき腹にある模様も、毛並みに沿って描いている所から、宗一郎がしっかりと観察して描いたのが分かります!
実は宗一郎が持ってきた写真には図鑑の切り抜きのような、ちょこちょことした寂しい植物しか載っていませんでした。少量の植物から、広大なジャングルをも想起させる緑あふれる背景にしたことで、サーベルタイガーのシルエットがはっきりとし、まるでこちらに走ってきているかのような、迫力のある躍動感が生まれていますね!

舜人はシャチ。真っ黒で大きな体の表現が、本当によく描けています。体に反射する海の色を紫で描いていたり、背中の水気を含んだ光沢などの表現には「本当に2年生?!」と驚いてしまいました。海の水の色の重なりも美しく、まるでオパールのように様々な色が見えます。この光沢や海の反射にも、様々な色を使っており、白い所には黄色を混ぜたり、海には明るいエメラルドグリーンが入っていたり…。とても美しいため、ぜひ実物を見てほしいくらいです。
このシャチは鳥(ペンギン?)を口にくわえています。水しぶきを上げながら、ザバァっと海から出てくるシャチ。いきなり現れたシャチに、素早い鳥も反応が出来なかったのでしょう。恐ろしさすら感じるシチュエーションですが、舜人の元気いっぱいな性格を通じてポップな画面に仕上がっています。食べようとして鳥を捕まえたのではなく、じゃれて遊んでいるようにも見えてくる…かも?!

今回ご紹介したこどもたちの描く生き物には命の荒々しさを感じました。何とも言えない迫力があり、写真をそのまま写し取るのではなく、自分が感じとったものを写し取って描いているため、大人には絶対に真似ができない魅力があります。子どもの絵は子どもの時にしか描けません。今回描いた油絵、大切にしてあげてくださいね!!


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