河原崎 透明水彩
大竹です。
まず、こちらの作品をよく観る前に、目を瞑って自分の好きな場所、思入れの深い場所、ふるさと、母校や実家といった風景を思い浮かべてみて下さい。まぶたの裏にぼんやりと浮かんだ風景の柔らかな色合いは、この作品とよく似ているのではないでしょうか。
河原崎さんの作品は、ご自身で撮られた地元風景を参考に描かれています。河原崎さんの地元や自然を愛する気持ちが、透明水彩の優しい色味と合わさり、じんわりと心に溶けて浸透し、伝わっていくような作品ですね。決して正確なデッサンとは言えませんが、記憶の中の風景がハッキリと細部までは見えないのと同じように、少し綻びがある方が返って観る人に懐かしい景色を思い起こさせるのでしょう。
特に右の作品は、流れる川の部分などに筆のタッチを残し、画面奥の淡い光へを視線を導いてくれています。薄暗く木々が生い茂る森の中で、歩む先には光があり優しく向かい入れてくれる、迷いの先には希望がある、そんなポジティブなイメージをも与えてくれそうです。(ちなみに、私は右の作品を拝見した時は、小学生の時の自然教室の風景と重なりました。森の中は子供の足には少々歩き辛く、休憩地点の河原に辿り着いた時は、安心しました…。)
河原崎さんの色合いやタッチだと、1本の花を大きく描いてみるのも良さそうですね。河原崎さんの優しく穏やかな性格と自然への愛が反映された、美しい花が咲くのではないでしょうか。