
土曜日の岩田です。今回ご紹介しますのは日曜日にいらっしゃっている木村さんの描いた日本画です。スケール感がありダイナミックな作品です。これから朝日が顔を出そうとしているその時を捉えたものですが放射状に光が差し込んで来ているところは一番の見せ場と言えるでしょう。
木村さんもこの朝日を描くところに一番の心血を注いでいました。
とは言え私が素晴らしいと感じるところはそこだけではなく、海や砂浜に於いても木村さんの表現力は存分に発揮されていると思います。
空が水面に反射している色が何とも絶妙であり、更には水の透明度も感じさせてくれるところも良いのですが砂浜と波打ち際の描写が何ともリアルに表現されていますね。白く泡立った波、かなり緻密ですね。それでいて手前から奥にかけてスーッと自然な空間がでています。
画面では少々分かりづらいのですが砂浜の描き方もとても工夫されており空間を出したり、単調に見えないように岩絵具の粒子を様々に変えながら表現をしているんです。意識して見てみると手前はざらざらしていて奥にに行くに従って序々にフラットになっているのがお分かりになると思います。
まさかこの絵が0号の大きさで描かれているとは思えない程です。
後は「空」に関して研究の余地はまだまだ残されてるように感じます。「空」は物質で構成されているというより「現象」としてのニュアンスが強いので岩絵の具の粒子を変えて空間を表現することは難しいのではと思われますが今後は「空」の表現をもっともっと追求なされても良いでしょう。