興津 岩絵具・和紙・パネル
サトルです。今回は日曜クラスから興津さんの描かれた日本画の紹介です。
白い孔雀の凛とした佇まい、松の木の力強さ、牡丹の花の色鮮やかさ。それぞれの魅力が呼応し合い、洗礼された画面写し出しています。
興津さんは最初に墨で形を描く『骨描き』を長い時間をかけてじっくりと行っていました。細い筆を使い、孔雀の羽毛や松の葉などを一本一本丁寧に線描されており、「このまま墨絵として、岩絵具を塗らなくても良いのでは?」と思わされる程の完成度でした。特に松の葉の描写の細かさは凄まじいもので、触った時のチクチクとした感覚まで伝わる程。
絵の具を塗る際も墨の仕事を消さない様、絵の具を薄く塗り墨の線が透けて見えてくる様に仕上げられています。孔雀の白い羽毛の表現は美しいですね。地塗りの黄色が下から透けて見え、揺れ動く柔らかい羽毛の雰囲気を感じます。松の木は墨の残し加減が絶妙で、葉の表現はもちろん、うねった幹の形の表現もかっこいいですね。
興津さんは今までデッサンや油絵を描かれていたので、線だけで物を描く事をしていませんでした。今回の作品は興津さんの隠された才能を開花させた一枚だと思います。日本画を経て今後の興津さんの作品がどう変化していくのか、とても楽しみです。