
学生クラス デザイン講評
どうも幸介です!本日ご紹介するのは、学生クラスのデザイン課題の講評の模様。普段学生クラスではそれぞれが自分で決めた別々の課題を行っているのですが、今回はまとめて中学生から高校生まで皆で同じ課題を行いました。デザインの課題です。たまには他人と同じ課題をやって、比べて、自分の作品や技術がどのくらいなのか客観的に見て感じてほしい、という思いのもとに実施しました。
今回の課題はケント紙の中に正方形の画面を2つ配置し、片方に「甘い」イメージを曲線で、もう片方に「辛い」のイメージを直線でデザインせよ、というものです。
デザインの課題は一見するとルールの縛りが激しく堅苦しいように思えます。しかし、そのルールを最大限利用したり裏をかいたりすることで、意外とどんな絵も描けたりします。色彩だったり、画面の緩急で魅力的な画面を作り上げます。今回の課題は「デザイン初めて」って生徒も多く、なかなかそのルールに悩まされたようですが、今まで分からなかったデザインや色彩のセンスが垣間見えたり、普段から雑な生徒は他人と比べて「やっぱり自分の塗り方って雑…」ってなことが再確認できたりと、なかなか良かったんではないかと思います。
右上にピックアップした4枚は良かった作品。軽く説明いたします。
上段右 旭(高1)辛い:見せ場を一点に絞りスピード感のある構成が辛さを感じさせる。大きな面で青を使うことによって直線的な赤を引き締めて見せてはいるが、赤とオレンジの明度差やチューブそのままのような色彩が未熟に感じる。
上段左 優海(中2)甘い:ペールトーンでねちねちと構成した画面からはキャラメルのようなまったりとした甘さを感じる。色彩は独特な魅力があり色面のちらばりも美しい。全体のリズムが単調で、構成を練れていないように感じるのが難点。
下段右 ひなた(中2)辛い:色面の細かさや、直線でできることを多く取り入れた画面に好感が持てる。全体のバランスが左右対称に見え、色彩も繰り返しの並びで配色していることで単調に見えてしまうのがもったいなく感じる。
下段左 一平(中3)甘い:全体の線のバランスと鮮やかな色彩から、炭酸飲料のようなフレーバーの強い甘さを感じる。色相、彩度のコントロールに比べ、明度のコントロールが出来ていないので、バランスの良い構成を見せきれていない。
…というように、各々に細かな説明をした今回の授業。ちょっときびしめの講評にはなりましたが、美大なんかじゃ良くない作品にはひと言も言ってもらえないので、これでもだいぶ優しい講評なんだぞ!!!って思いました。油彩や水彩、工作とはまた違った面白さのある課題なので、またちょっと時間を空けて、機会をみつけてやってみたいな、なんて思います!!
田中幸介