モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

木のリトグラフ

2009-07-31 02:18:00 | スタッフ講師
Photo_2赤尾です。みなさん、版画の「リトグラフ」という技法はご存知ですか?木版画、銅版画は経験のある方も多いと思いますが、リトグラフは未経験の方がほとんどではないでしょうか?

参考までにリトグラフについての説明:リトグラフ (lithograph, lithography) は版画の一種で、平版画にあたる。水と油の反発作用を利用した版種で、製作過程は大きく「描画」「製版」「刷り」の3行程にわかれる。

私もリトグラフの作品自体はよく見かけるのですが、どうやって作るのかはこういった説明だけ見てもちんぷんかんぷんでした。
今回大学の講習でリトグラフを刷る機会があり、「なるほど、こんな風にできるのか!」とようやく理解できました。

作り方としては、版にクレヨンやソリッドマーカーなど、油性の描画材料で絵を描き、描いた上からアラビアゴムという水彩絵の具の原料になる液を塗り、乾かします。乾いたらインクを塗ったり水彩絵の具で着色し、プレス機で刷れば出来上がりです。
リトグラフは版を掘らずに上から絵を描くので、思い通りの作品が作りやすい利点があります。
また同時に油性のインクと水性絵の具を使うことができ、表現の幅もすごく広いのです。

またリトグラフは元々石に絵を描いて刷っていましたが、持ち運びなどの点で不便なので、現在はアルミ版が主に使われています。
私が今回受けた講座では、多摩美術大学オリジナルの技法と言われている、木を版として使いました。
この木のリトグラフは、もともと日本ではリトグラフに使われるような石が採れず高価なものであること、また日本では建築物なども木が主として使われていることから、何とか木を使ってリトグラフができないかと試行錯誤して発明されたそうです。
木を使うことで木目が少し出ていたり、描くだけではなく掘る作業もできるため、現在では多くの作家が木のリトグラフを制作しているそうです。
この講座を受けてみて、この木で刷る技法ならミオスでもできるかも?!と感じました。
材料費も他のリトグラフより少なめ、プレス機もいらず足で踏むだけで刷ることができるので、自宅でも挑戦できる技法だと思います。
いつか小学生クラスなどで実現できたらな、と野望が持てました!大人クラスでもチャレンジしてみたい方はご相談ください。

コメント
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