モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

ベース作りから始めるデッサン

2022-06-25 21:37:24 | 大人 デッサン


左 當山 / 右 加藤
カラメル色素・墨汁・チャコールペンシル・木炭・コンテ・鉛筆・パステル・色鉛筆・アクリル絵具

 

岩田です。今回は、加藤さん、當山さんの作品をご紹介します。

これは鹿の骨、レンガなどを構成し描いたものですが、當山さんが最初にモチーフを組んで描いたものに加藤さんが触発され、同じようなモチーフを組みました。
見て分かるように、こちらは普通のデッサンとは違います。砂糖を焦がして作るカラメル色素という液体に水を加え、木炭紙大画用紙に撒いたり、垂らした後に画面を傾けて流す等の行為により、液体が醸し出す偶然性を使って素地を作りました。そしてその上から白やグレーのコンテ、チャコペンを使ってモチーフを描いた作品です。
こうした描き方は、古くはデューラーやミケランジェロなどが描いているグレーデッサンを元にしています。

互いの絵を比べてみると、當山さんは引きの構図で捉え、加藤さんは近づいて描いている。
當山さんはモチーフに対して若干余白が間抜けに見えるかなという印象。背景に色を付けてはいるが、それが薄いぶん背景の移り変わりが物足りなく見える。偶然性による濃淡がもっと顔を出しても良いでしょう。
一方加藤さんはモチーフをクローズアップして描いているぶんインパクトはある。画面の中の色幅もあるのでモチーフの中の微妙な色調が表現され、質感へのアプローチに繋がっている故に見ごたえのある絵になっています。骨の形体やレンガの重量感も良いですね。

今後の課題として、當山さんは、画面に対してのモチーフの大きさ、入れ方、アングル。加藤さんは一枚の作品としての説得力、魅力を、ここまで描けるからこそ更に追求して欲しい。そしてこちらも期待をしているのです。

7月16日の土曜日に勉強会を行います。
当日は、今回ご覧頂いたように、木炭紙大画用紙にカラメル色素、墨などを使ってモチーフを描く為のベースを作って貰い、同時に私の受験時代の絵を教材にしながら、モチーフの配置の仕方、視点の誘導のさせ方、主役脇役の作り方、メリハリの付け方といった絵の構造を中心に解説をします。
ご都合が合いましたら是非ご参加下さいね。

一昨日ご紹介した高校生も、お二人の絵に触発され、同じ技法で描いています。こちらも合わせてご覧ください!

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