モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

ポスターにしたらどう見える?

2024-05-23 22:53:06 | 学生


左上 恵菜 中2 / 右上 梅 高2
左下 優心 高2 / 右下 暁希 中3

マユカです!今回もサヤカ先生やナツメ先生に引き続き、学生クラスの水のデザインの紹介をしていきます!
今回は学生たちに足並み揃えて同じテーマを与え、作品を作ってもらいました。水をテーマにしたデザインということで、広告を作るイメージで構図を大きく、見せたいものを分かりやすくしよう!と伝えてみたところ、かなり大きく画面にモチーフを配置してくれました。どの作品もポスターなど、遠くから見られるような媒体に移しても目立ってくれそうなほど大胆な構図をしています!

恵菜
手と水を組み合わせ描きました。このデザインを制作する前は手のデッサンに挑戦したりと、「手」というモチーフに意欲を感じ、多摩美の受験期に一生分の手を描いていた私からしたら少し嬉しかったり…水を手の甲に流すことで指先から下へと滴っていく雫や水の流れが、手の形と合わさり逆三角形になっているのが分かるでしょうか。これは不安定な構図になっており、安定した構図よりも人の目を惹くという効果があります。背景を黒にすることで手と水の対になっている配色が分かりやすく見えてきますね。扱いの難しいアクリルもうまく使えています!


こちらは水彩絵の具で描きました。色を重ね、紫、水色、青、緑と様々な色彩が見えてくる様は実際の水晶の様に光を反射してきらきらと輝いているようです。多面的な立体はかなり描くのが難しいのですが、影に当たる部分に鮮やかな青と紫を重ねることで暗さを表現しつつ画面を濁らせないなど、配色一つをとっても工夫を感じます。また、彼女の構図も逆三角形になっていますね。上から下へと視線が移動し、一枚の絵に物語性が宿るのです。それによって印象に残りやすくなるんですね。

優心
優心は目、涙をモチーフにデザインしました。目というモチーフは強く、それだけで画面が成立してしまうため他のモチーフを差し込むと目立たなくなってしまう(目にしか視線が行かなくなる)のですが、彼女はそこの水の扱いを涙として処理し、更に一番視線が行く瞳の部分を溶けたような表現にして涙と繋げました。そのため水の描き方は勿論、その色彩の複雑さにも注目できます。組み合わせによって双方を引き立たせる描き方は素敵ですね。

暁希
暁希はペットボトルと水を描きました。一番身近な液体は飲料だと思いますが、そんな身近な飲料ボトルからスライムの様に粘度のある液体が出たらどうだろう?というアイデアをデザインに落とし込みました。でろでろとした質感が液体の映り込みによって表現され、濃い青や薄い青の中に背景のオレンジが映り込み透明感を出しつつ、差し色としても機能しています。青とオレンジは相性がとてもよく、対色にとても近いです。引き立てあう効果があるためどちらもくすまず鮮やかに目に映りますね。

「デザイン」は絵画とは違い、自分の好きな物を描くだけではうまくいきません。常に見る人のことを考え、どんなに難解な内容だとしても視覚だけで一発で分かるような画面を作ること。そうしないと一瞬しか見てもらえない広告は興味を持ってもらう前にスルーされてしまう。
注目を得るには?分かりやすくするためには?情報量は足りてる?それとも多い?等、何度も何度も考えながら画面を作ることでいいデザインは生み出されてきたんですね。もし街中で気になるポスターがあったら「どうして自分はこれが気になったんだろう」と分析して見てください。もしかしたらその中に良いデザインのヒントが隠されているかもしれません…!


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