モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

清涼感、夏の香り

2024-06-13 23:07:49 | 学生


左上 悠華 中3 / 右上 心 中3
左下 明美 中3 / 右下 璃子 中2

マユカです!!引き続きデザインのご紹介をしていきますよ~!!今回は中学生特集です。なんだかフレッシュ!最近は特に暑い日が続いているため、今回の作品たちは涼し気で爽やかな雰囲気が心地いいです。

まずは悠華。ふわふわと美しいひれをなびかせて泳ぐ金魚が美しく、水中から金魚を見上げているような構図になっているため鮮やかな赤色が目に眩しく、より引き立って見えます。水面を単色ではなく、緑や紫、濃さの違う青を乗せることで単調にならないように工夫されています。よく見れば背だけでなくお腹側にも小さな鱗が描かれており、きらきらと反射しているような雰囲気を感じます。水滴や水面のしぶきなど、水の形を描いている作品が多い中で、水面という切り口を見つけているあたり、アイデアの出し方が上手いなと感じます。

続いて心。メロンソーダが溶けていく様子を描きました。このデザインの要素としては結露の水滴と、アイスの垂れた粘性のある液体の感じの描き分けでしょう。反射や映り込みの激しい水滴に対し、もったりとしたマットな雰囲気のアイスの雫は液体の姿の差をよく表していますね。また色彩の使い方が素敵です。色的にはオレンジが目立つ色ではあるのですが、大きく白をあしらっていることにより空白に目が行き、そこから書き込みの多いメロンソーダへと視線が移ります。大きな面に目立つ色を置いているからこそ、小さな画面にしても目をしっかりと引きます。

お次は明美。懐中時計が水に投げ入れられているようなダイナミックで躍動感のある構図になっています。とても動きを感じる要因は、その水の動きから来ています。水滴が端へ溜まることでどの向きに水が進んでいるのか、この後どういった動きをするのかを想像することが出来、また中心のアナログな時計の機工に少し手間取っていましたが、金属らしさや水の透け感、揺らぎなど、細かい所にたくさんのこだわりが詰まっています。薄く淡い水彩の塗りの中に、パキッと鋭い色をのせているので、ハッとさせられるような鮮明さがありますね。

最後に璃子の作品です。紅茶を注ぐ様子を描きました。彼女の画風の特徴として、とにかくよく観察して、正確に写しとるところがあげられるのですが、その観察眼はなかなかに鋭く、特に紅茶を注いているポット、そこから流れる液体の流動感はまるで写真のよう。使う色の選び方がとてもうまく、丁寧な色選びをしながら少しずつ描いていきました。実はポットとカップで参照している画像は別で、少し想像で補完しながら描いていました。画面構成においてオリジナリティを出すことが出来ており、ただの模写ではなく、彼女の作品として昇華させられています。

今回の作品たちはデザイン的、というよりは一枚の作品としていいなと思うものが多かったかと思います。これからもデザインをする!という時は、より分かりやすく暖色を用いた画面を心がけて色や構図を作ってあげると、広告のような作品が描けるようになっていくのではないかなと思います。


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