駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

時の流れが変化

2022年03月26日 | 人生
          

 二月は逃げる三月は去ると言うそうだが、四月になると少しは時の流れがゆっくりするのだろうか。高齢の患者さんのほぼ半数が月に一回受診される。この時期にはもう一ヶ月経ったとよく言われるので、二月三月は時間の流れが早く感じられるらしい。言い伝えは今も生きている。
 定年後やることがなくなる人は要注意だ。特に男性は家事をしない人が多いから、テレビの番人ですよなどと言うようになる、そうなるとあっという間に老けてしまう。何か趣味をとお話しするのだが、会社人間だった人が高齢になって新たに目を輝かせる趣味を見付けるのは難しいようだ。最低限ラジオ体操と散歩だけはと勧めて、やってますと言われる患者さんも居られるが元気溌剌とはゆかない、自発的でないと楽しめないのだ。
 女性は家事があって大変亭主の世話で大変かもしれないが、嫁さんが家事をしてくれるようになったり亭主が亡くなったりして、人の世話をする必要がなくなると、急に元気がなくなられることも多い。勿論、中には夫が居なくなってますます元気というおばあさんも居られるが。
 とにかく何かすることがありそれがいくらかでも楽しいと、下手な薬よりも老化を防ぐように観察している。
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ちゃんと報道放送してほしい

2022年03月25日 | 世の中
         

 
 森保ジャパンのオーストラリア戦を見ることができなかった。テレビ中継がなかったからだ。試合というものは結果を知ってから見ては興味は十分の一以下になる。手に汗を握るからこそ面白い。日本サッカー協会と放送局は猛省して欲しい。私を含めサッカーファンは怒りがっかりしている。それこそ手に汗を握る試合だったようだ、いかにも残念。
 報道と放送、どちらも生きの良いものでないと価値が何分の一以下に減る。ウクライナ情勢も微妙で難しいとは思うが、広範で正確な情報を流して欲しい。一人にできることは限られているが、失われる命や資産資源が最小になるように蟷螂の斧を振るいたい。塵も集まれば力となる。
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高い天井

2022年03月24日 | 身辺記
             

 亡くなったGさんが教えてくれた床屋にもう十年通っている。百年続く店なのだが十二年前に今の主人が建て替えたそうで、モダンな作りで明るく清潔で気持ちが良い。大きな特徴は天井が高いことで、座席は二つで大きな店ではないのに空間が大きく広く感じる。天井が高くて気持ちが良いですねと褒めたら、実は設計士と色々検討したんだが、お客さんが天井を見るのは歯医者と床屋くらいもんだと話が合い、天井を高くしたんですよと嬉しそうに説明してくれた。言われてみれば成る程そうだなと感心した。行きつけの歯医者の方は天井の高さは普通なのだが、歯医者の場合はあんまりゆっくり天井を眺める余裕はない。
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正義と世間

2022年03月23日 | 小考
          

 どこにでも居る市井の臨床医として生きてきたから、法律の知識もないし経済にも詳しくないし歴史の知識も足りない。語学も英語以外は使いものにならない。
 それでも学び考えることは好きで色々考える。正義という言葉はしばしば自分が正しいというように使われるしそういうように響くことがあるのであまり使わないが、正義はあると考えている。正義は絶対的なもので自分の内ではなく外にあるものだ。それに同意される人は結構居られると思うが、日本には正義は乏しいと見ている。その代わり?に世間というものがある。世間とは何か、深く考察した本がありそうだが自分は知らず読んだことはない。世間は古くから日本と共にある歴史的な存在のようだ。世間というのは揺れ動くもので外だけでなく内なる意識にもいつの間にか埋め込まれている。
 正義よりも世間が優先する社会だから、憲法というものがきちんと理解されないのではないかと考えている。勿論、私は法学部を出たわけではないし十分に憲法を理解している自信はないが、多くの政治家やマスコミ発言人の言動からの類推だ。世論と世間の関係も微妙なもので、これに関してはもっと学者の見解や発言が取り上げられても良いと思うが、介在するマスコミが忖度するのかあまり表に出てこない。
 独裁には私された正義もどきがあるだけで正義はない。
 単純化した牽強付会?の見方を披露したが、当たっているところもあるだろう。
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よくある構図

2022年03月22日 | 世の中
          

 年を取ると眠れないと言う人が増える。女性に多い。不眠だけが訴えの患者さんは精神科に紹介しているが、殆どの患者さんは高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病などの慢性疾患で通院中の患者さんなので当院で対応している。
 睡眠薬の使用法については医学雑誌に慎重適正使用が書かれており、睡眠薬の選び方や減らし方の勉強会にも出席して、患者さんの抵抗に会いながら随分と使用を減らし薬の選択も変えてきた。
 しかし医師(主に開業医)の中にはまだまだ患者さんの言われるままに?睡眠薬を処方している医師が結構居る。それは転院のあるいは休業された医院から回ってくる患者さんの中にベンゾジアゼピン系の睡眠薬を一種類どころか二種類も飲んでいる患者さんが居ることから分かる。八十代で二種類、しかもこの量は多すぎますと言うとこれだけ飲まないと眠れないと強く抵抗され簡単には減らせない、依存が生じているのだ。物忘れや転倒といった副作用は年齢的な老化と区別がしにくいし患者の希望に沿うのは継続通院に繋がるから、注意指導は難しかったのだろうと推測する。
 ちょっと違うけれども、グループホームなどでも眠りの浅い入居者に強い睡眠薬が職員から要求されることがある。手数の足りない夜間は面倒を見るのが大変だからだ。
 筋の通ったことがしばしば実行が難しいという理由で退けられ、取り敢えずやりやすい妥協が通ってしまう。
 遠い昔、小学校でそうは教えられなかったので,いい年をしてなんだか違うのではと感じる。
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