駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

転勤族、今は昔

2022年03月16日 | 人生
             

 今はもう薬品メーカーの営業担当者(MR)と会うことはなくなったが、院長をしていた頃は昼休みや午後の患者さんの居ない時間帯に面会して、薬の説明を受けたりあれこれ四方山話をしたものだ。彼ら彼女ら(二十年くらい前から徐々に女性のMRが増えて院長を辞める頃には三分の一は女性になっていた)は転勤族で、よく前任地の話を聞いた。住んでも良いあるいは又行きたいの筆頭は博多(暮らしやすい)で、行きたくない筆頭は京都(仕事がしにくい)だった。勿論、土地にはそれなりの魅力があるようで、雪国で大変そうなのに新潟が気に入り家を建て家族を住まわせ当地には単身赴任というMRさんも居た。
 地図を眺めるのが好きで、どんなところだろうとよく想像する。現実には家族も居るし仕事の関係もあって簡単に転居はできないので、住んだことがある土地は高々四カ所だ。まあ平均と言ったところだろうか、中には生まれ育った土地を離れたことのない人も居られるだろう。転勤となると今は大分違ってきているようだが昔は半ば強制で、思いも寄らぬ土地に住むことになった人も多かっただろう。滅相もないと思う僻地にもきっとそれなりの魅力があり、住めば都ということもあったと思う。薬の宣伝が多いのでMRさんを嫌う医師も居るが、は私は色々世間話ができて楽しかった。
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