駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

消費税小考

2018年12月16日 | 政治経済

              

 

 来年(2019年)の10月に消費税が10%になります。これは昨年(2017年)4月に10%に上げる予定だったのを安倍首相が国内の個人消費の低迷が続いているため、増税すればさらに消費が冷え込み、日本経済が再びデフレに逆戻りするかもしれないと判断したのが理由とされています。その時二年半後と時期を定め、リーマンショックや東日本大震災のようなことが起きない限り上げると断言しています。消費税増税が必要かどうか、又その率や実行する時期については経済学者の間でも意見が分かれていますが、安倍首相の判断はそうした経済学的な考察の結果ではなく政治的なものだったと思われます。

 そして今現在企てられている様々な消費税アップに伴う変化を和らげようとする複雑な政府の施策は、やはり政治的な意図を含んだものと思われます。以前にも指摘したことがありますが、安倍政権は政権維持の策略で抜きんでた能力を持っています。人間の心の動きを読むことに長けているのです。並の心理学者は遠く及びません。それは所謂一つの印象操作なのです。しばしば印象操作で私を批判するなと気色ばむ首相は実は印象操作の達人なのです。それを狡いとは言えないでしょう。別に毒ガスを使うわけではなく、言葉による戦略でそれが政治というものの一つの実態だからです。問題はむしろ受け取る側にあると思われます。

 支持率は個別の問題に対するものではなく全体としてのものですから、支持率の高くない政策を覆い隠して他の政策で点数を稼げば、首相と周辺の野望も叶えられるのかもしれないのです。受け取る国民がよく考えれば問題ないように思われますが、考えるには情報が必要で情報操作が行われているとしたら、それもなかなか容易なことではないのです。眼光紙背に徹する必要があると思われます。

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