師走はなんとなく気ぜわしいのだが、締めくくりとして一年を振り返って考えてみる良い機会でもある。フランスでは燃料税増税をきっかけに大規模なデモが起き、ドイツでは移民政策への反発からメルケル首相が退き、米中対立に火花が飛び、日本では国会が機能せず入管法が碌な議論もなく国会で成立してしまった。これだけ大きな問題を一纏めに議論理解するのは非常に難しいが、通底するものはある。まず現象としては社会の不安定化とそれから生まれる不信恐怖、そして思考短絡と力依存だと思う。
無知の知の自覚、謙虚な視点が戦後今ほど求められる時はないのではないか。僅かな知識しかないのに、憎悪嫌悪で物事を判断してしまう。そういう人達はさほど多くないような気もするが、その大声と勢いに流されてしまう人達が多い?ように見える。
どうすればに対する私、一介の臨床医にすぎないが、の処方箋は広い視野を持ち多様な意見に耳を傾けることだ。議論が深まると決められないような印象が生まれるが、複雑な問題には漸進が真っ当、英断と見せる短絡鉈切りは間違ってきた。