駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

コウケンテツが行く

2016年01月14日 | 旨い物

                 

 コウケンテツという男が居る。料理研究家だそうだが、日本での活動は知らない。BSに彼がアジア各地を旅して、その土地の食事をその土地の家庭に入り込んで味わう番組がある。何のきっかけで見るようになったか記憶にないが、面白いので気が付けば見ている。

 多分十カ国分は見ている。国と言うより地方の少数部族を訪問と言った方が正確で、家庭に入り込んで実際食べている食事を材料を得るところから作るところまで参加し味わってゆく、中にはゲテモノというか、普通の人なら一寸遠慮したくなる昆虫や蛙などの料理も彼は平気で食べる。本当に旨そうに食べる。彼の人懐っこく分け隔てをしないキャラクターとそこそこイケメンなところが女性に受けるようで、家族にも受け入れられてゆくのがよく分かる。親しくなり長逗留のいとまを告げる時には、お互いに涙を流して別れる時もある。

 アジアの田舎の家庭料理は材料も家の周りで採取した小動物や植物が主役で、味付けには独特の香辛料や発酵食品が使われる。彼は何でも本当に旨そうに食べるのだが、実際はどんな味なんだろうと食べてみたくなるものも多い。香辛料は癖のある食材を美味しく食べる為に編み出された工夫なのだろうが、その多彩さには驚く。そして彼等の食に掛ける情熱と手間にも感心する。家族や客人と食事をすることが、現在の日本よりも何倍も大きな意味を持っているのが分かる。

 それにしても日本は食に於いても極東のようで、日本ほどあっさり淡泊な食材味付けはないようだ。まあ、それだけ、そのままで美味しい食材に恵まれているのかも知れない。見た目はもう一つも多いのだが、アジアの食は奥深く美味のようである。全てとは言わないが、幾つか食べてみたいものもある。コウさん、料理研究家も良いが、食べ歩いた料理を再現したコウケンテツアジア料理店を開いてくれたまえ。

コメント
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