二連休なのでノンビリ出来る。昨日は映画、ブリッジ・オブ・スパイを見てきた。半世紀前のアメリカが画面に映し出され、懐かしかった。あの頃はアメリカのテレビ番組が日本でも放送され、よく見ていたので当時のアメリカの雰囲気がよく分かるのだ。
史実に基づいた話らしいのだが、小説顔負けの筋書き展開の映画で、そんなことがあったんだ、そうだったかも知れないなと思った。捉えられたソヴィエトのスパイ?ルドルフの裁判の弁護を頼まれ、引き受けた保険会社の弁護士ドノバン(トムハンクス)が、まともな裁判を目指すところから物語は展開して行く。その鍵となる概念はコンスティチューション(憲法)なのに改めて新鮮な驚きを感じた。
全く国家と無関係な人間に仕事をさせる展開に、そんなことがあったのだろうかと驚いてしまう。しかし、ステレオタイプでうんざりさせられる単純さの向こうから荒削りで洗練伝統とは無縁のようでいて、本筋を外さないまともで健全な判断が出て来るのに感心してしまう(今もそうかどうかは怪しい)。日本に全くないわけではない展開だが、日本ではこうした仕事にまともな評価は与えらないだろう。まあ第一こうした判断が下せるとは思えない。
どうしても、今のご時世翻って日本はと考えてしまう。フェアを尊ぶ気風が少なく、一人一人は実直で有能なのだが、言い出しかねる雰囲気があり大局の判断に問題がでてくるようだ。
トムハンクスも中々良いが、ルドルフ役と奥さん役の俳優がとても好かった。御覧になると良い映画と思う。