駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

看護師がキャ、驚かされる往診。

2014年11月11日 | 診療

                   

 往診に行くと犬を飼っているお宅が結構多い。三軒に一軒くらい?、猫の三倍以上の感じがする。尤も猫は留守のことも多いし、在宅していても歓迎に現れないので正確な所は分からない。 三、四回行くと吠えるワン公も、白衣を着た連中は敵ではないことが分かるようで吠えなくなる。勿論、何回行っても吠える阿保も居る。

 老犬だと片目を開けて又来たかと言う確認だけのことが多い。先日、殆ど寝たきりのF婆さん宅の往診に行った。さてとお変わりありませんかと腰を下ろそうとすると冷静沈着な看護師のAさんが「きゃ」と声を出した。十年の勤務で初めて聞いた声である。ベットの影に隠れていた小型犬が歓迎のご挨拶に膝の後ろを舐めたらしい。

 「あれあれ申し訳ありません」と嫁さんに抱かれてご退場となった。思いがけぬ事がある、いやあるだけでなくするのが患者さんで、診察をすると貼付剤が右胸と左胸と対称的張ってある。

 「あれ、これどうしたの。これは一日一枚ですよ」。

 「あら、そうなんですか。おばあさんが左側も重いから張ってくれと言うものですから」。

 トイレに立ったら動悸がしたのはそのせいかな、薬局で説明したはずなんだけどなあ。「これは湿布ではありませんので、どこかに一枚張れば効きます。今晩から一枚にしてくださいと右側を剥がす。

 どうも嫁さんは返事は一番だが、分かっていないなあ、要注意と心のカルテに書いておく。

コメント
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