駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

口ごもる時

2013年02月16日 | 診療

          

 今朝は吐く息が白かった。それでも、中腹まで雲が掛かる周りの山はどこか春めいて見えた。

 患者さんはいろいろな言い訳?を考えつく。Kさんは六十代の糖尿病の女性だ。この数ヶ月、血糖値が上がり勾配なので、「食べ過ぎていませんか、運動していますか」。とチェックを入れる。

 「食事は注意してますよ。毎日、一時間歩いてます」。と心外そうな答え、「原因はわかっているんです。ストレスなんです」。

 「何か心配事があるんですか」。

 「いや、旦那と居るのがストレスなんですよ」。

 「えー、そうですか」。

 「先生は、男だから分からないんですよ」。

 「そうかなあ、夫婦なんて、お互い様でしょう」。

 「先生はそうなんですか」。と看護婦までこちらを向いて、二人で尋問が始まる。

 「そーりゃ、あーりゃ」。と、慌てて口をつぐむ。

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4 コメント

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内科医の場合 (柳居子)
2013-02-16 09:59:30
メンタル・ケアは、どこかに線引きをしなければ、順番待ちの後に続く患者の事や諸々 こちらがメンタル・ケアを受けたい事も有るのか等と推察致します。
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それほどでは (arz2bee)
2013-02-16 16:34:57
 まあ、これくらいのことはムニャムニャと誤魔化しております。
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 (steelpony)
2013-02-17 16:44:22
夫婦も年がいくと、奥さんは大抵旦那の悪口を外で言います。旦那は奥さんの悪口を外では絶対言いません。
それは家庭内の恥なのですから。
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そうかもしれません (arz2bee)
2013-02-17 18:04:25
 確かに奥さんが旦那をこき下ろす方が多いようですね。恐妻家は希ではないようですが。
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