駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

朝三暮四診療

2011年10月28日 | 診療

 

  医師会で身内の勉強会があり、正直というか本音の話が聞けた。大学の教授の話には建前もあり、なかなかそうはできないという部分もあるのだが、最前線で診療している仲間の話は成程というかほんまかいなと面白い。

 街中の内科系診療所でよくある訴えに眠れない、ふらふらする、手や足がしびれる、小便の回数が多くて困る、腰が痛い・・・などがある。これらはいづれもいろいろ調べ治療しても、なかなかすっきりしないことがあり、悩まされる訴えである。

 M先生、なかなか話がうまい融通無碍な人なのだが、彼の話。

 尿の回数が多いという人にはまず薬Aを使ってみる。最初は良く効いたというのだが、数か月すると効かなくなったということが多い、そうしたら今度は薬Bを使うんですよ。しばらく調子良いんだが、また数か月して効かなくなったと言い出したら今度は薬Cを使うんですよ。また駄目だと言い出したら、今度はしばらく休んでみましょうと言って、数か月ほど休ませてまた薬Aを使うんですよ。そうすると不思議なことに効きますね。

 そうやって休薬を挟んで三つの薬をとっかえひっかえ回しながらやってますよ、えへへとの話。ほんまかいなとみんなで笑ったが、ここに最前線の臨床の実像というか真実が現れているとも思った。

コメント (2)
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