医院のエアコンの調子が悪く(十六年使用)、連休を利用してすべて取り換えた。かなり費用が掛かったが、保守や修理にも結構費用が掛かるので妥当な判断と思う。工事が三日がかりだったので、休祭日に二日休診を追加して、友人と物見遊山に出かけてきた。
なぜか、異文化に浸ると疲れが取れる。いつも二、三週間かけて世界中を旅しているMさんには「何、それじゃあ行って帰ってくるだけじゃない」。と笑われたのだが、前期高齢者の珍道中を心から楽しんできた。
さて、旅行中に考えたこと感じたことを、日常に戻っていくらかでも実行できるだろうか。だんだん日常に吸いこまれて代り映えしなくなってしまうのが通例なのだが。
普段は読まない本を一冊読んだのも大きな収穫だ。食わず嫌いでなく読まず嫌いだった中井久夫(精神科医)を機内で読んだ。脳味噌に染み込んできて、もっと早く読めば良かったと感じた。どうも精神科領域に跨る患者さんで苦労させられて、その割に精神科医の援助が得られず、相談しても瓢箪ナマズで精神科医に不審を抱いていたのだ。
果たして、苛立たず患者の話をもっと聞けるようになれるだろうか。いくらかでもと願っている。