駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

踏んだり蹴ったり

2011年08月22日 | 診療

 

 今朝はゲリラ豪雨で駅まで歩くうち片袖がびしょ濡れになってしまった。ひどい目にあったと駅に着くと、困ったことに電車が規定値を超す雨量で一時不通になっており、改札口に人が溢れていた。仕方なくタクシー乗り場に回るが、人の考えることは同じで既に十人ばかり並んでいる。十五分ばかり待って漸くタクシーに乗ると、携帯電話が鳴った。留守電を聞こうとするとお話中である。これは慌てている人が何度も電話する時に起きる現象なのだ。応答を待てない人は返事が来る前に何度も電話をするために、留守電を聞くことが出来ない。暫く待っていると女房の携帯から電話が入り、何度も***-****から電話が入ると言う。

 ***-****に電話をする。

 「**内科ですが、どうしました」。

 「お爺さんが息をしていないんです」。それは大変。

 「どちら様ですか」。

 「**ヨシコです」。えーっと、そうかあの人のご主人か。末期癌で自宅に戻されたYさんだ。

 「電車が動かなくてタクシーで向かってますからね、着いたら行きます。待ってて下さい」。

 小振りになった雨の中、近いので歩いてYさん宅へ向かう。Yさんの最期の往診から戻ると、早出の看護師Kさんが、

「事務のNさんから電車が不通で遅れると連絡がありました」。と言う。

 「ああ、そう」。

 月曜なのに困ったなあと思いながら、診察室の椅子に坐り、コンピュータの電源を入れると、あれれ、右側の画面が映らない。無信号と表示が出る。接触不良かとケーブルを彼方此方弄るが直らない。慌ててコンピュータ管理会社へ連絡すると受付の女性が、未だSは出社しておりませんので折り返し電話させますと言う。

 右の画面が映らないと検査データが参照できず十分な診察が出来ない。ああ、なんで今日に限って困ったことが重なるのだと大きな溜息が出た。

コメント (2)
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