「この辺にもうどんがありますか?」。
「ありますよ」。
「讃岐うどんですか?」
「いえいえ、私らは讃岐うどんは硬うてよう食べません、あちらはなんやら全国に名が売れたようですけど、ここいらはもうちょっと細くて柔くて、昆布や鳴門がようけ入って、おいしいですよ」。
と聞いたので、昼飯にさっそくうどんを食べてみた。なるほど腰はさほどなくやわらかく、ちょっと短く食べやすい。汁は色は薄いが出汁がきちんと利いた上品な塩味で、中々イケる。付け合わせの野菜の天麩羅も申し訳でなく、大振り揚げたてで野菜の味が濃く、旨い。
讃岐うどんとな?、ありゃあ隣町のうどんですよという気持ちがよくわかった。