水曜日の午後は休診にしている。開院当初は、患者さんが半日の日があっても来てくれるか不安で一日やろうかとも思ったが、中休みも必要と半日にしたのだ。これは正解だった。勿論、心身を休める意味もあるのだが、普段出来ない仕事をこなすことが出来て好都合だった。介護保険の審査会、総合病院に送った患者訪問、学校検診や絵の教室・・・など硬軟織り交ぜた雑件で極めて有効に活用できている。
雑件はあっても基本的には診療がないので、心身の負担は少ない。それでも2,3本の電話が掛かってきて煩わしく感じることもある。インフルエンザの予防注射の予約をとかの問い合わせが多く、今日は休みなので明日にしてとお断りしている。泣き言を言えば、女房が医院への電話に出てくれない。数年前患者さんからの取り次ぎがきちんと出来なかったのを怒ったら臍を曲げてしまったのだ。誠に面目ないというか情けない。
昨日は婆さんが吐いて下痢して苦しんでいるから往診してくれという電話が掛かってきた。大抵は休みなのでと断るのだが、十年以上通っているTさんからでは断り切れず出掛けた。八十過ぎの老夫婦で気軽に往診を頼めた昔の感覚が抜けきれないらしい。「おーい、先生が来てくれた」。奥で寝ている婆さんは自覚症状は辛いのだろうが、重症ではなく型どおり点滴をして、食事の注意をし処方箋を渡して返ってきた。やれやれ、なんだかなあと思う。四十年前なら日常茶飯事だったのだろうが、世の中は変わり自分では特別意識しないのだが、医者の心境にも変化がある。正直、大儀なのだ。ひょっとして年を取ったのかな。