駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

雨後の竹の子を間引く

2010年07月15日 | 身辺記
 水曜日の午後は休診にしている。休診と言っても普段できない仕事をするから、さほど暇があるわけではないのだが、今日は幸い午後四時過ぎに帰って来れた。
 書斎に座ってぼんやりしていたら、発作的に本の整理がしたくなった。いつの間にか本箱に入りきれない本(半分は結局読まない)があちこちに山積みになっている。まるで雨後の竹の子のようだ。どちらかと言えばきちんと整理された部屋が好きなのだが、本屋に行くとつい本を買う癖が抜けず、毎月二、三十冊の本を買ってしまう。それに医学雑誌などが毎月十冊ばかり送られてくるので、二、三ヶ月すると本棚に入りきれない本が彼方此方に積み上げられてしまう。読んで詰まらなかった本、数ページ読んで読めないと思った本、数年前の医学雑誌を探し出して、廃品供出用に束ねる。
 本の回収は頻回にあるわけでなく、廊下の隅に積み上げておくことになるので、お小言を喰らいそうだ。まあ、それは馬耳東風としよう。
 こうやって、時々整理をして部屋のエントロピーを確保しているのだが、いくつかの本はいつか読もうと際限なく先送りされて行く。まあ、それが生きている証拠と言えば証拠なのだが、時々伊藤整の言葉を思い出す。「いつかなんて来ない、大切と思うことは今やりなさい」。理知的で穏やかな伊藤整の言葉だから却って胸に響き、何度か思い切って踏み出し助けられた。まあ、趣味で読む本の場合は、本の方から呼びかけてくれるだろう。
 片付けながらネットで王位戦を見ていたのだが、広瀬が勝ってしまった。素人には深浦が逆転したように見えた。解説者も途中差が詰まったように書いていたが、結局最初の見通しが正しかった。将棋のプロは凄い。
 整理された書斎に坐り、ぼーっと音楽(昨日はバッハ)を聴くのは至福の時だ。数年前までは、じっとしていられなかったのだが、この頃は本当にぼーっとしている。たぶん脳が休んでいる?のだろう。
コメント
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