玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*人のつながり

2021年02月22日 | 捨て猫の独り言

 ある金曜のよる9時に高橋源一郎の「飛ぶ教室」を聞いていた。雑誌に応募した小説を、吉本隆明が高く評価したことがもとで高橋の小説が刊行された。またこの日の飛ぶ教室のゲストである穂村弘の第一歌集を、高橋が「俵万智が三百万部売れたのなら、この歌集は三億冊売れてもおかしくないのに」と評したという。そんな三人のつながりを知った。(小金井公園の梅林)

  

 つながりということで決まって思うことがある。最近話題になった森喜朗のことだ。1969年の衆議院選挙に旧石川1区から立候補。この選挙は10人が乱立する混戦模様で実際、田中角栄自民党幹事長は森を「泡沫候補」と呼んで公認を与えなかった。 出馬に際し、岸信介元首相による応援を要請。岸は森の要請を快諾し、はるばる石川まで応援に駆けつけた。下馬評を覆してトップ当選した。

 森は、無名の泡沫候補に過ぎない自分の応援のためにわざわざ駆けつけた岸に対し、終生恩義を忘れないと公言してはばからない。後年岸の外孫である安倍晋三が首相に就任した際は、後見人として安倍を支えることになる。森内閣のあとは小泉内閣になるのだが小泉劇場の主演女優は田中真紀子だった。森の「田中真紀子の外務大臣だけはやめておけと」という小泉への助言は実現しなかった。そして田中は外相に就任したが官僚との対立で更迭される。

 「3本の矢」「地方創生」「一億総活躍社会」「働き方改革」「人づくり改革」など地道な達成よりもめぼしい政策課題を食べ散らかしてきた安倍内閣。新しい看板をつぎつぎに繰り出すから国民は失望する間もない。関心も持続しない。その政権の後見人とおぼしき人物が森喜朗である。2020・東京オリンピックに岸ー森ー安倍のつながりを見てしまう。そしてしがらみに殉じることを美徳とする、閉鎖的な日本の政治風土を一人嘆く。

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