玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*AI囲碁ソフト

2017年08月07日 | 捨て猫の独り言

 ダルビッシュ投手はMLBのオールスターゲームが年に一試合だけであることに関して「こちらは価値の作り方がうまい」とコメントしていた。選抜されることに選手は大きな誇りを持つという。的を射たコメントだと思う。日本のプロ野球は2試合で、過去には3試合の時もあった。そのダルビッシュについて、トレード期限ギリギリの7月31日の夕刻(現地時間)に電撃的な移籍発表があった。テキサス・レンジャーズからワールドシリーズ優勝を目指すロサンゼルス・ドジャースに移るという。その後ダルビッシュは地元テキサスの新聞に惜別の全面広告を出して話題になった。(写真は鎌倉にて)

 

 幻冬舎が出した 井山裕太著「勝ちきる頭脳」を読んだ。幻冬舎らしいタイムリーな企画だ。そのタイトルに少しばかりの違和感を覚えたが、しかしうまい代案は読後に思い浮かばなかった。囲碁棋士・井山の七冠全制覇に至る歩みや、囲碁は勝負か芸術かなどの囲碁についての井山自身の考え、中国・韓国に学ぶことは何か、彼と我との違いは何かなどの考察などがなされている。そして最後の章は人工知能という新たな強敵のことにふれている。2016年3月に事件は起きた。AI囲碁ソフト「アルファ碁」が世界最強棋士である韓国の リ・セドル に4勝1敗で勝利したのである。誰もがずっと先のことだろうと思っていた。

 その衝撃は大きく囲碁界の枠を超えたニュースになった。そして今年の2月に先の「勝ちきる頭脳」が出版され、その中で井山は、まもなくこの3月には第一回の「ワールド碁チャンピオンシップ」がある。今は「全力を尽くして戦います」としか申し上げられませんと書いている。それは日本棋院が主催し、優勝賞金は3000万円の棋戦だ。日本のAI囲碁ソフト「Deep Zen Go」と韓国と中国のトップ棋士と日本の井山の4者による総当たりのリーグ戦である。勝負の結果は韓国が3勝、中国が2勝1敗、Zenが1勝2敗、井山が3敗だった。次回はどうなるか興味深い。

 優勝した パク・ジュンファン は「今回はZenに勝ったがAIには恐怖を感じる」と答えている。高尾紳路九段の最近のブログによると、Zenが日本棋院の対局室「幽玄の間」に登場して一か月あまり、8月1日からは棋士なら誰でも打てるようになったそうだ。これまで20局のうちで勝ったのは安藤和繁五段のみとあった。井山も著書の中で乱れる思いを吐露している。もう人間は勝てないのだからと囲碁に興味を失ったり、プロ棋士よりも自分はアルファ碁に教わるという人が出てくるのではないか。個性のある人間同士の戦いであるからこその興味や面白さがあるのだろう。アルファ碁とZenのAI同士の対戦に見る者の心が動くだろうか云々とあった。

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