石破新首相に関する、二者のコメントを記録しておきたいと思う。まず保守の立場から様々な事象を論じる佐伯啓思氏の10月2日の「異論のススメ」より。『今回の総裁選は安倍派内部の不適切な政治資金処理からはじまり、やがて「政治とカネ」および「派閥」という自民党の体質が問われ、党改革や政治改革がひとつの論点となった。その意味では、従来の派閥に属さずに自民党のなかで「異端」の立場にあった石破氏の当選もこの流れに乗ったものだろう。石破氏が知られるようになったのは、1993年に政治改革法案に賛同して、自民党を離党したあたりからである。中略。しかし政治の中心的な場所で「改革」が叫ばれて30年というのはいささか異常であろう。
他方で、今回の自民党総裁選では、当初、多くの候補者が「保守」という言葉を使った。確かに「自民党とは何か」と問えば、まずは「保守政党」である。では「保守とは何か」と問えばどうか。答えは決して容易ではない。しかも、平成に入って以降、「改革」の旗振り役が自民党であったとなれば、果たして自民党にとって保守とは何なのだろう。中略。もしも自民党が「保守政党」たらんとするなら、なすべきは、今日の急激な「変化」のさなかにあって、この打ち寄せる荒波から「守るべきものは何か」と問うことでなければならない』
つぎは、編集委員の高橋純子氏の10月5日の「多事奏論」より。『「軍事オタク」タカ派として存在感は示していたけれど、あくまでサブ&変人キャラ。それが、世の中および、自民党がぐっと右ブレするなかでいつしか「穏健保守」くらいの位置づけとなり「一強」の安倍氏と距離をおいて野にあり続けたからこそ、5回目の挑戦で今回、自民党総裁=首相の座を射止めた。推薦人20人のうち13人が「裏金議員」だった高市早苗氏が、党員票で1位になったことにはうなった。そして高市氏の敗戦の弁、「今日が安倍総理の国葬儀から2年目の日だ。いいご報告ができなかったことを申し訳なく思っている」にはうめいた。
新首相としてやるべきは、「自由」「真実」「公平公正」「謙虚」をないがしろにし、政治の荒廃をもたらした安倍政治との真の意味での決別だ。その初手として、裏金問題で処分された議員は次の選挙で公認しない。当初は前向きな姿を見せていたからこそのイシバシガマシだったのに、早をくも腰抜けぶりを露呈させている。予算委員会を開いてから解散総選挙という従来の言も翻し、それで「納得と共感内閣」だなんて・・・寝言?イシバシガダマシ。野花を摘んで花瓶に挿したら即しおれてしまいましたとさ。さあいやがおうでも総選挙だ。主権者こそこの国のあるじ。ゆめゆめ忘れることなかれ』
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