玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*囲碁名人戦

2010年09月05日 | 捨て猫の独り言

 陽が落ちて虫の鳴く音が聞こえてくる。まだ日中の暑さが衰える気配はないがつぎの季節が足踏みしながら順番待ちをしているようだ。サルスベリの梢の先の淡い赤も色褪せてきた。この夏は八ヶ岳南麓でいくつかの山荘の庭先にブッドレアが植えられているのを見かけた。わずかに芳香のある小花が円錐花序をなして重く垂れさがっている。紫色のものが多かった。この低木にはよく蝶が訪れるという。これから草木の名をどんどん覚えていけたらと思う。

 NHKは囲碁の3大タイトル戦の実況中継をしている。いずれも二日制の七番勝負である。初日は朝9時と夕方5時からのそれぞれ1時間、勝負の決着する2日めは朝9時からの1時間と夕方4時からの2時間枠の放送になる。1月は棋聖戦、5月は本因坊戦、9月は名人戦である。9月1日の名人戦を観た。21歳の井山祐太名人に33歳の高尾伸路九段が挑戦する。このテレビ観戦は私には刺激的な学習の場である。多くの棋士の解説を聞くことができるので参考になる。ところが雑用に邪魔されて中継の完全視聴は意外と難しいものだ。

 21歳の名人は時おり意表を突く手を打つ。プロの棋士でもほとんど予想しなかったという手だ。その感性に新鮮なものを感じる。柔軟さを感じる。この名人戦第1局の序盤では彼我の勢力圏がメビウスの帯の表裏のようにいつの間にやら入れ替わるという打ち回しを見せてくれた。放送には関西棋院所属棋士としては29年ぶりにタイトルを獲得した坂井秀至(ひでゆき)七段(33歳)も顔を見せた。灘高から京大医学部に進み医師免許を取得し研修医勤務目前に転身を決意し28歳でプロ入りした経歴を持つ。関西地区の棋士の活躍が目立つようになった。これは喜ばしいことだ。

 かつて日本の囲碁界で東西対立が起こり関西棋院が独立しその後再統合はいまだに実現していない。日本棋院は東京本院、中部総本部、関西総本部からなる。ちなみに井山祐太名人は日本棋院関西総本部の所属である。関西棋院は独立派で関西総本部は協調派とでも言えようか。関西棋院に所属する棋士では今回にわかに脚光を浴びることになった坂井秀至碁聖のほかに2年連続でNHK杯選手権者である結城聡九段や囲碁講座を担当した横田茂昭九段がよく知られている。まもなく私は日本海側を西に向かうやや長期間の普通列車の旅に出る。名人戦第2局の始まる16日の前には帰宅せねばならない。

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1 コメント

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草木の名前を覚えたい、私もそう思ったことがある... (植物と動物)
2010-09-09 11:01:54
草木の名前を覚えたい、私もそう思ったことがあるが、どうも向いてないようです。名前を覚えるのは対象への関心のつよさ、努力というより個性のように思います。ところで、草木の方は自分の名前などまるで意識しない。犬との違い。猛暑にも水がほしいと言わず、移動もできない植物。声なき声を聞けるようになれば趣味嗜好も本物でしょう。
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