玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*超人間

2020年04月06日 | 捨て猫の独り言

 健康づくりのラジオ体操はよく出来ていると思う。基本的には第2は第1のくり返しであるが、絶妙な工夫で少しづつ変化をつけている。最近は第1の動きに対応する第2の動き、あるいはその逆を考えながら体操する。また、ある瞬間にぼんやり体操以外のことを考えていると、流れの中でしたしたはずの運動の記憶を失っていることがある。人は二つのことがらを同時に考えることはできないようだ。(4月4日の玉川上水散歩)

 

 これまでも、しばしば経験したことだが何かを思い立って別な部屋に移動して、はて何のために自分はここにいるのだろうと分からなくなることがある。しばらく後に気づいてようやく目的を果たすということが起きたりする。カレンダーの欄外に22.5億円という書き込みがある。たしかに自分の筆跡なのだが、これはいまだにいつ何のために書いたのか不明だ。

 つい最近のことである。点眼している目薬が切れて、新しい目薬を捜したが、いつもの場所にそれが見当たらない。面倒だが眼科医院に出向くしかないと諦めた。これまで長きにわたり冷蔵庫のポケットが定位置だったが、「冷蔵保存の必要はない」という記載を見て、四週間前に保管場所を変更したのがまずかった。一夜明けてクローゼットの中にある目薬を発見した。

 年をとるとこれまでできていたことができなくなってくる。それに私の場合完全退職してから眼や耳の不調が顕著だ。老いの考察で吉本隆明の冗談めいた言がある。「その鈍くなったことを別な意味で言うと何かしようと思ったということと、実際にすることとの分離が大きくなってきているということの特性なんですよ。だから老人というのは〈超人間〉と言った方がいいのです」  

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