玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*草木の名の由来

2012年09月13日 | 玉川上水の四季

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 日中は肌を焼くような陽射しが続いている。それでも立秋から処暑そして白露と季節は確実に転回している。クヌギの樹液の流出は止まりカナブンの姿が消えた。蝉の声が止んで虫の声が聞こえるようになった。白露の玉川上水の観察会で実際この目で確認した草木はゴンズイ、センニンソウ、キンミズヒキ、キツネノマゴ、マテバシイ、ヌルデ、イノコズチ、ヘクソカズラなどだ。

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 草木の名の由来を調べるとなかなか興味深いものがある。秋の実がとてもきれいな落葉小高木のゴンズイは薪以外に使い道がなく、あまり食用にならない魚のゴンズイの名がついたという「役立たず説」が有力だ。つる植物のセンニンソウは果実には白い毛があり、これを仙人のヒゲに見立てたことからこの名がついた。ヌルデの名はかつて幹に傷をつけて白い汁を採り塗料として使ったことに由来するとされる。

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 ヘクソカズラとはすごい名前だ。道端のフェンスなどにかわいい花を咲かせるつる性の多年草だ。茎や葉を揉むと悪臭がすることからこの名がついたという。私も葉を揉んで実際に試してみたがそれほど臭くない。悪臭はしないと言う人が多い。花言葉は「人嫌い」「誤解を解きたい」とある。適切だと思うが、あらゆる「花言葉」はどのようにして定着していくのだろうか。これはなかなか興味深い事柄ではないか。花の内側の茶色の部分をお灸の跡に見立てたヤイトバナ(灸花)という別名もある。私は今後これを採用することにした。(写真は上からゴンズイ、センニンソウ、ヤイトバナ)

コメント
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