玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*椋神社例大祭

2009年10月13日 | 捨て猫の独り言

 秩父に住む知人とは久しく会えずにいました。職責の重い仕事でしたから毎日大変だろうと、こちらから連絡するのを控えていました。その彼もこの3月で定年退職のはずでした。思い立って先日電話をかけると元気な声が返ってきて安心しました。すると思いがけなく11日の日曜日に椋神社の龍勢まつりに出かけてこないかという誘いです。再会と祭り見学という願ってもない機会が訪れました。

 龍勢とは別名農民ロケットと呼ばれています。関ヶ原の戦いの頃から椋神社の神事として400年以上も伝承されてきたのです。秩父市吉田の椋神社の裏手にある芦田山の裾に組まれた櫓(やぐら)から打ち上げられます。午前9時から午後5時まで15分間隔で30本の手造りロケットが打ち上げられるのです。導火線に火が入ると白煙が龍勢を包んだかとおもうと轟音とともに火を噴き、一瞬にして300~500mも舞い上がり、昇りつめた瞬間落下傘が開き、龍勢のバランスを取っていた長い竹(矢柄)がふわりと吊り下げられます。

 当日はこれ以上望めないほどの秋晴れでした。私の駅から西武秩父駅までは1時間45分かかります。10時頃に御夫婦の出迎えを受け、奥さんの運転で会場に直行です。昨夜民放テレビで龍勢まつりが放映されその影響で例年より多い人出だとあちこちで噂しています。私たち3人は奉納者席という桟敷の後ろで立ち見でした。午前の部の後半の5つの龍勢を見守りました。その5回のうち4回は打ち上げ成功でした。成功率5割と聞かされていましたから意外な結果に大いに満足でした。

 見ものは打ち上げ前の太鼓櫓の上での口上です。「東西、東西~、ここに掛け置く龍の次第は~・・・・・・、五穀豊穣、皆々様のご健勝~・・・・・・、椋神社の御前に御奉納~」 と奉納者の声自慢により独特の節回しで口上が述べられます。龍勢の仕掛けや奉納者等が紹介されます。地域の小学生が寄せ書きしたパラシュートを装着した龍勢もいくつかありました。この龍勢まつりは毎年10月の第2日曜日です。秩父ではこのあと、12月3日の秩父夜祭(日本三大曳山祭りの一つ)、12月の第2日曜日は鉄砲まつりと続きます。秩父の人たちの祭りに注ぐ持続する情熱に感動します。秩父の風土はこれからも私を魅了し続けることでしょう。

コメント (2)
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