2020年に書いた記事です。
バチカンのピエトロ・パオリン司祭枢機卿、そしてヨハネ・パウロ1世 - Various Topics 2
前回の記事で、バチカン内部のリベラル系と保守系の分裂があることについて書きました。
(昔のリベラル系のイメージには「拝金主義者と距離を置いている」というイメージがありましたが、20世紀終わりごろからはむしろ、「拝金主義者に近い人達」が自らを「リベラル」という様になってしまいました。それはバチカンでも同じかと思って書いています。)
ある面ではリベラル系といえる現教皇フランチェスコのことを調べると、なぜかよく出てくるバチカンの国務長官ピエトロ・パオリン枢機卿。
パオリン枢機卿は2018年のビルダーバーグ会議に出席、その後すぐの2018年6月28日には、フランチェスコ教皇に枢機卿の中でも位の高いCardinal Bishop(司教枢機卿)に任命されました。
(中略)
2020年2月 フランチェスコ教皇はバチカンにヨハネ・パウロ1世基金を設立し、ピエトロ・パオリン枢機卿を責任者に任命しています。
1978年に教皇になってわずか33日目に不審死を遂げた教皇は、アフリカ人を「黒い人」、アジア人を「頬骨が高い人」とスピーチでのべていたことがあったようです。
このパオリン枢機卿が、次期教皇候補の有力候補者となっているようです。
この動画で3人目で紹介されています。
FUTURE OF THE CATHOLIC CHURCH: Who will be the next Pope?
下の動画の0:13秒の有力候補者のリストのトップ(左端)がパオリン司祭枢機卿。
(このリストの一番後ろ(2段目の右端)エルド枢機卿が有力対抗馬の気がします。)
A look at the top contenders in the upcoming conclave to elect new pope
アラブニュースの記事からー
フランシスコ法王の後継者は誰か?可能性のある9人の候補者|ARAB NEWS
抜粋:
ピエトロ・パロリン枢機卿(イタリア、バチカン外交官、70歳)。
パロリン枢機卿は、進歩派と保守派の間の妥協候補と見られている。彼は人生の大半を教会の外交官として過ごし、フランシスコが選出された2013年以来、フランシスコ法王の国務長官を務めている。
この役職は首相に似ており、国務長官はバチカンのヒエラルキーの中で教皇に次ぐ地位にあるため、しばしば「副教皇」と呼ばれる。
パロリンは以前、ローマ教皇ベネディクトの下で外務副大臣を務めていたが、2009年にベネズエラのバチカン大使に任命され、当時のウゴ・チャベス大統領による教会弱体化の動きから教会を擁護した。
彼はまた、バチカンと中国およびベトナムとの和解の立役者でもある。保守派は、共産主義中国の司教任命に関する合意について彼を攻撃した。彼は、この合意は完璧ではなかったが、分裂を回避し、北京政府と何らかの形で意思疎通を図ることができたと擁護している。
パロリンは、中絶や同性愛者の権利といった問題を中心とする教会のいわゆるカルチャー・ウォーズにおいて、最前線に立つことも、騒々しい活動家であることもなかったが、多くの国で同性婚が合法化されたことを 「人類の敗北 」と非難したことはある。
また、バチカンが地方の教会指導者に対して持つ権力を擁護し、ドイツで司祭が同性カップルを象徴的に祝福することを認めようとしていることを批判した。彼は、すべてのカトリック信者に影響を及ぼすような決定を地方の教会が下すことはできないと述べた。
物腰柔らかで上品な人柄のパロリンは、ポーランドのヨハネ・パウロ2世、ドイツのベネディクト、アルゼンチンのフランシスコと、イタリア人以外の教皇が3代続いた後、教皇職をイタリア人に戻すことになる。
彼は1980年の司祭叙階からわずか3年でバチカンの外交部に入ったため、司牧経験は限られている。しかし、彼が有利な要素は、多くの言語を話せることである。
追記: